ISICO トップ
目的別
組織別
地場産業振興センター
いしかわサイエンスパーク
デジネット DGnet
こんにちは  ゲスト  さま|メルマガ・会員登録ヘルプ

【巻頭特集】経営環境の変化を乗り切るには働き方改革や人材の多様化が鍵 開発力の向上目指し、ベトナム人留学生を採用

掲載号 vol.92
記事内容

人口減少と少子高齢化を背景に、労働の担い手の中核をなす生産年齢人口(15歳以上65歳未満)は減少の一途をたどっている。また、経済のグローバル化が進む中、中小企業も国際的な競争に直面することも少なくない。こうした経営環境の変化に対応し、人材不足の解消やグローバル化を進め、競争力を強化していくには、中小企業においても働き方改革や人材の多様化が求められている。そこで今回の巻頭特集ではワークライフバランスに配慮して職場を改善したり、国籍を問わず人材を採用したりするなどの積極的な取り組みを進める2社を紹介する。

 

日本語堪能で優秀なエンジニア
タ・ダットさんとグエン・テイ・ミン・タムさんはベトナム出身。 写真 システム開発を手がけるCOM-ONEでは二人のベトナム人社員が活躍している。

 一人は平成24年に入社したタ・ダットさんだ。タさんはハノイ出身で、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)で学び、同社へ入社した。家電や産業機械に搭載され、それらの機器を制御する組み込みシステムの開発が得意で、現在は医療機器用のシステム開発に取り組んでいる。
 もう一人は平成27年に入社したグエン・テイ・ミン・タムさんだ。同じくハノイ出身でJAISTを修了した後、東京の大手システム会社を経て、同社へ入社。現在は客先でシステムの保守を担当している。
 米田稔社長は「起業前に海外でシステム開発会社を立ち上げる責任者を務めた経験があったので、私自身、外国人とのやりとりには抵抗がありません。もっとも二人とも日本語が堪能ですから、コミュニケーションはとてもスムーズで、会社に違和感なく溶け込んでいます。二人とも優秀なシステムエンジニアですから、日本人社員にもいい刺激になっていますよ」と話す。

 

人材不足の業界で貴重な即戦力
開発力をアップさせるため「性別、年齢、国籍を問わず、優秀な人材を採用したい」と話す米田稔社長 写真 米田社長が外国人の採用に踏み切った背景には、システムエンジニアの人材不足がある。厚生労働省が昨年1月に発表した労働市場分析レポートによれば、平成26年度の「情報処理・通信技術者」の求人倍率は3.25倍で、平成21年度の0.83倍に比べ、大きく伸びている。同社でも4、5年前からクラウド対応型の自治体向け業務システムの受注が好調で、人材不足の状況が続いている。
 また、以前から新卒採用を行っているが、一人前に育つまでには時間がかかる上、採用や育成に必要となる費用負担も重くのしかかるため、中途採用に切り替え、即戦力となる人材の求人に力を入れていたことも理由の一つだ。
 タさんを採用したきっかけは、アジアの優秀な留学生を日本の大学に受け入れ、専門教育から日系企業へのインターンシップ、就職までをサポートする「アジア人財資金構想」事業に参加したことだった。米田社長は同事業でJAISTに留学していたタさんを指導教官から推薦され、システムエンジニアとしての力量を見込んで採用。「組み込みシステムの分野で当社はノウハウが不足しているので、貴重な戦力となっています」と笑顔を見せる。
 グエンさんは、東京の会社に在籍中に、夫がJAIST勤務となったため、近くで働きたいと転職を考えていた。これを知ったタさんが米田社長に採用を申し入れた。

 

今後の海外展開のキーマンとして期待
 米田社長は今後の海外展開のキーマンとしても二人に期待を寄せている。
 同社では平成25年、県内企業とベトナム企業をマッチングするビジネス商談会に参加。この場で橋の建設年数に加え、部材、構造、交通量などに応じて補修の時期や費用を算出するシステム「I-BIMS(アイ・ビームス)」の事業展開を試みたことがある。このときもタさんは通訳兼エンジニアとして商談に参加した。これまで具体的な商談には至っていないが、米田社長は経済成長著しく、親日的なベトナムにはビジネスチャンスがあると考え、進出の機会を探っている。
ベトナムでのシステム販売、オフショア開発を視野に昨年10月、石川県情報システム工業会のメンバーとともに現地を視察した また、人材不足を補うと同時に開発コストを低減するため、米田社長はオフショア開発(海外企業へのシステム開発の委託)も視野に入れる。委託先として有望視しているのが、国を挙げてIT産業の育成に力を注いでいるベトナムだ。昨年10月には石川県情報システム工業会のメンバーとともに現地を視察するなど準備を進めている。グエンさんは前職でベトナム企業向けにシステム提案や、顧客との交渉なども担当していたことから、ベトナム企業との連携には、その経験が役に立つと米田社長は考えている。
 「今後も優秀な人材であれば、性別、年齢、国籍を問わず採用していきたい」。米田社長はそう話し、多様な人材の活躍を企業力の向上につなげる考えだ。

関連URL http://www.isico.or.jp/isico/i-maga/isico_v92
備考 情報誌「ISICO」vol.92より抜粋
添付ファイル
企業名 株式会社 COM-ONE
事業内容 各種情報システムの開発
創業・設立 設立  平成15年2月
もっと知りたい