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伝統素材をアレンジした新スイーツ 購入者の意見取り入れ、商品を改良

掲載号 vol.92
記事内容

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.

 

JR金沢駅にある金沢百番街でカフェを経営するビッグサンタでは、石川の伝統的な菓子材料や工芸品をアレンジし、現代のライフスタイルに合わせた商品を開発している。その一つが牛乳と混ぜて食べるシリアルスイーツ「ふやき・おーれ」で、ISICOの支援を受けて商品の改良に取り組み、雑貨店など自社店舗以外への販路拡大に成功している。

 

原料には県産もち米を使用
「ふまりぼーろ」「はちまんさん」などラインアップが充実すると、販路や売り上げも増えた 写真 もち米で作った和菓子の材料の一つに「ふやき」がある。その名が示すように、まるで麩(ふ)のような優しい口溶けが特徴で、すり蜜を塗ってせんべいとして食べたり、餡(あん)や求肥(ぎゅうひ)を挟んで食べたりする。
 「ふやき・おーれ」はこのふやきをアレンジした新感覚のスイーツだ。石川県産のもち米を使ってカップ型に焼き上げたふやきの中に、玄米フレークを詰め込んだもので、イチゴ、バナナ、抹茶の3種のフレーバーをラインアップする。食べ方はふやきを砕いて牛乳を注ぎ、よくかき混ぜるだけ。朝食やおやつにぴったりの商品だ。
 ビッグサンタが金沢百番街で経営するカフェ「百番や」をはじめ、県内ではめいてつ・エムザのほか、ギフト金沢広坂店やアミング、小松空港の売店など、県外では東京・銀座にある石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」などで販売する。金沢らしい商品として、自宅用にあるいはプレゼント用にと女性を中心に人気を集めている。

 

冷たい牛乳でもおいしく
見てかわいい、作って楽しい、食べておいしい「ふやき・おーれ」(1個 350円) 写真 「北陸新幹線の開業を前に、新しい土産を作ろうと菓子の企画をスタートしたのが4年前です。金沢にはたくさんの菓子がありますが、競争も激しい。食べておいしいのは当たり前で、ひと目見て印象に残るような商品を作らなければ、私たちのような新しいブランドは、お客様やバイヤーに認知してもらえません。そこで注目したのがふやきです。食品なのに、自由に造形できる点に素材としての魅力を感じました」。商品化のいきさつについてそう話すのは同社の宮田和雄社長だ。
 平成25年秋の発売後には、活性化ファンドの補助金を活用して商品の改良に取り組んだ。
 現在は温かい牛乳でも、冷たい牛乳でもおいしく食べられるが、発売当初は味付け用のパウダーが溶けないため、冷たい牛乳を注いで食べることができなかった。しかし、購入者から「わざわざ牛乳を温めるのが面倒」という声が寄せられたため、冷たい牛乳でも溶けやすいようにパウダーに工夫を凝らした。
 また、カップの上部は当初、着色したすり蜜を一つ一つ人の手ではけ塗りしていたが、あらかじめ色を付けた状態でふやきを焼き上げるように改め、生産効率をアップさせた。

 

アンテナショップが拡販の起点に
「ひと目見ただけで、必ず印承認残るような商品を作りたい」と話す宮田和雄社長 写真 ISICOのサポートを受け、販路も大きく広がった。「現在、当社の商品を販売している店は一部を除き、ISICOのネットワークによって取引につながったところばかりです。営業経験がなかったので本当に助かりました」と宮田社長は話す。
 中でも大きな後押しとなっているのがいしかわ百万石物語・江戸本店で商品が扱われるようになったことだった。同店では、首都圏に展開する百貨店の催事に出店するほか、百貨店やスーパーのバイヤーが新商品を求めて来店する。こうした機会が新たな販路につながることも多く、現在では売り上げの約60%を首都圏での販売が占めるまでになった。
 また、同店にはテレビや雑誌のメディア関係者が情報収集に訪れることが多い。昨年11月にはTBSの朝の情報番組「ビビット」、女性向け月刊誌「CREA(クレア)」に取り上げられ、歳暮用の注文が急増した。
 ラインアップを拡充したことも取引先や販売量が増加した要因の一つだ。ふやき・おーれに続き、加賀手毬(まり)をモチーフにしたパッケージに、麩と同じグルテンや石川県産米粉で作った一口サイズの焼き菓子を入れた「ふまりぼーろ」、金沢の郷土玩具・加賀八幡起上りの形を模した落雁「はちまんさん」を立て続けに発売。宮田社長は「アイテム数を増やすことでバイヤーの目に留まりやすくなり、注文してくれるようになった」と手応えを口にする。

 

九谷焼製キャップが外国人に人気
日本の伝統美をキッチンなどで楽しむことができる「九谷焼ジャーキャップ」(2,810~3,420円) 写真 昨秋には再び活性化ファンドの採択を受け、「九谷焼ジャーキャップ」の開発に取り組んだ。これは、金属製のねじ式の部品と九谷焼を接合して作ったジャー(広口のビン)に取り付けるふたで、絵柄は九谷五彩を生かした12種類。ブルー、グリーン、ピンク、透明のジャーと組み合わせて販売している。
 昨年9月に開催された日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「東京インターナショナル・ギフト・ショー」の中でISICOが設けるブースでお披露目したのを皮切りに「百番や」や東急ハンズなどで販売を開始し、宮田社長の予想を上回る売れ行きとなっている。
 「ジャーの口のサイズは世界共通。直径70ミリのジャーであれば、どこで作られたジャーでも取り付けできます。日本の伝統工芸を普段の暮らしに気軽に取り入れられるアイテムとして、金沢を訪れた外国人旅行客のお土産になればと思って開発しました」と話す宮田社長。その言葉通り、兼六園近くの土産物店では購入客の半数以上を外国人が占める。東京オリンピックまでには、さらにバリエーションを増やし、外国人のニーズを取り込む考えだ。

関連URL http://www.isico.or.jp/isico/i-maga/isico_v92
備考 情報誌「ISICO」vol.92より抜粋
添付ファイル
企業名 株式会社 ビッグサンタ(お菓子 百番屋)
事業内容 カフェ運営、商品企画製造販売
創業・設立 設立  平成20年11月
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