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ワッフルが事業の柱に成長 海外での実演販売も好調

掲載号 vol.93
記事内容

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.

 

いも菓子で知られる能登町の菓子店「いわずみ」が作るワッフルが好評だ。自家製あんを挟んだり、能登の食材を使ったりとオリジナリティにあふれるワッフルで、自社店舗などで販売するほか、県内スーパーでの出張実演販売に取り組み、売り上げを伸ばしてきた。近年では、県外スーパーへの卸販売、海外百貨店での出張実演販売をスタートするなど、さらに攻勢をかけ、今では同社の売り上げの60%以上を占める主力商品に成長している。

 

年間100種類以上を販売
いわずみのワッフル。5月から台湾そごうで新作を販売する 写真 いわずみのワッフルは、ミルクやバターをたっぷりと使い、手間ひまをかけて仕込んだ生地をカリカリに焼き上げている。プレーンタイプのほか、生クリームやカスタードクリーム、自家製あんを挟むなどバリエーションは多彩だ。
 例えば3月ならば、先に述べたものに加え、チョコ、粒あん、抹茶あん、チーズケーキ、メープルアーモンド、りんご、キャラメルマキアート、ラムレーズン、ショコラもちと実に12種類をラインアップ。同社の岩住武広常務が「お客様を飽きさせないよう、月ごと、季節ごとにどんどん入れ替える」と話すように、年間を通すと約100種類のワッフルが登場する。
 同社が能登町内に構える本店、神和住店での販売に加え、毎週のように金沢市や白山市、野々市市などにあるスーパー3、4店で出張実演販売を行っている。

 

夏場の売り上げ確保に考案
 いわずみがワッフルを販売し始めたのは、約8年前にさかのぼる。同社では当時、スーパーなどに出向き、大判焼きの実演販売を行っていた。しかし、あんを使った菓子は、夏場に売れ行きが悪くなる。そこで、従来の設備を活用できて、夏場でも売れるものをと考え、たどり着いたのが岩住常務の好物であるワッフルだった。
自ら実演販売に立つこともあるという岩住武広常務 写真 岩住常務は試行錯誤の末に、表面はカリカリ、中はしっとりとした食感で食べごたえがあり、バターの香りとコクのある甘みを感じられる生地を完成させ、実演販売を始めた。しかし、味には自信があったものの、発売から半年ほどはあまり売れなかった。そこで、岩住常務は店頭で消費者の反応を確認しながら、生地作りに使う原料の配合を見直したり、生クリームや生のフルーツをトッピングしたりと、少しずつ改良を加えていった。
 その結果、売れ行きは次第に上向き、リピーターも増加。懸案だった夏場に売り上げを確保できるようになったほか季節を問わず売れる商品として人気が定着していった。

 

能登産素材を使って新商品も
 おいしさが評判を呼び、ファンが増えてくると常連客からは「ギフト用にもっと日持ちするワッフルを作ってほしい」との要望が寄せられるようになった。そこで平成26年に開発したのが「能登わっふる」だ。
 赤崎いちご、柳田産ブルーベリー、松波柚子、能登大納言を使った自家製あんを包んだワッフルをそれぞれの味に合うチョコレートでコーティングした4種類のほか、奥能登塩田村の揚げ浜塩とチョコ、ナッツを合わせた「能登ソルティナッツ」、マルガージェラート(能登町)のゴーダチーズとドライフルーツを使った「濃厚ミルクフルーツ」がある。
 実演販売するワッフルの賞味期限は2日間だが、生クリームや生のフルーツを使わない能登わっふるの賞味期限は30日間と長くしたほか、新たにギフトボックスも用意した。評判は上々で、金沢駅やのと里山海道別所岳サービスエリア、加賀屋に置くことができたほか、ギフトや土産物としての需要を取り込むことに成功した。
県外のスーパーなどへ卸販売する「金沢あんふれーば」 写真 さらに平成27年には活性化ファンドを活用し、「金沢あんふれーば」を開発した。これは県外の小売店へ卸販売するために企画した商品で、能登わっふるにも使用している4種類に加え、能登金時、大浜大豆を練り込んだ自家製あんをサンドし、チョココーティングしたワッフルだ。現在、大手商社を経由し、イトーヨーカ堂、北野エースなどに販路が広がっている。
 こうした取り組みにより生産量が増加したことから、設備投資にも積極的に取り組んでいる。ISICOの設備貸与制度を利用して包装機を設置したほか、急速冷凍庫、オーブンなどを増設。この春からはベトナム人の技能実習生2名を採用するなど、生産体制を整えた。

 

海外では閉店まで大行列
香港そごうで実演販売した際の様子 写真 いわずみのワッフルは海外でも人気を博している。3年前の香港そごうを皮切りに、昨年からはシンガポール伊勢丹でも実演販売する。今春からは出店先として台湾そごうも加わり、8月までに海外だけで約40日間の出店を予定している。
 海外進出を決めた理由について、岩住常務は「少子高齢化が進むなか、企業を成長させるには販路拡大は必須。社内からは反対する声もありましたが、新しいことにチャレンジしようと思いました」と話す。周囲の心配をよそに、海外では10時の開店から22時の閉店まで、行列が絶えない人気ぶりで、国内での実演販売に比べ、倍以上の売れ行きを記録している。
 県内での実演販売にとどまらず、ギフト用・卸販売用商品の開発、海外での実演販売と、業容を拡大させることでワッフル部門の成長は著しく、今や同社の売り上げは5年前の1.5倍となり、その60%以上をワッフルが占める。
 一層の飛躍を目指し、現在計画するのはギフト用商品の海外販売だ。しかし、国内で販売しているワッフルをそのまま輸出するのは難しい。というのも、日本よりも暑い国々ではチョココーティングが溶けやすいためで、チョコの代わりにチョコ味のようかんを使うなど、解決策を模索している。
 一方、産学官連携も視野に、イースト菌の代わりとなる石川独自の菌を使って、旨味のあるワッフルの開発に取り組むなど、岩住常務は失敗を恐れず、前向きに挑戦する気持ちを胸に、時代を生き抜くヒントを探り続けている。

関連URL http://www.isico.or.jp/isico/i-maga/isico_v93
備考 情報誌「ISICO」vol.93より抜粋
添付ファイル
企業名 株式会社 いわずみ
事業内容 菓子の製造販売
創業・設立 創業  昭和37年4月
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