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【巻頭特集】起業を視野にUIターン 地域資源を活用し、成功目指す!|能登島Sans-souci

掲載号 vol.96
記事内容

地方創生が叫ばれるなか、石川県内でもUIターンしてきた移住者による起業が増えてきた。こうした動きは地域経済の活性化や新たな雇用の創出だけでなく、埋もれていた地域資源の掘り起こしや新たな魅力づくりにもつながると期待がかかる。そこで今回の巻頭特集では、県内各地にUIターンし、生まれ育ったふるさとで、あるいは新天地で事業を立ち上げ、奮闘する3組の取り組みについて紹介する。

 

里山里海の恵みを本格フレンチで 食を中心に地域活性化目指す

週末の予約は来年2月までいっぱい
週末は予約客でにぎわう店内の写真 能登島Sans-souci(サンスーシィ)は波静かな七尾湾北湾が眼前に広がる小さなオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)だ。ソムリエの長竹幸子さんと夫でシェフの長竹俊雄さんが古民家を改修し、平成26年10月にオープンした。

 提供するのは、その時期食べ頃を迎えた食材を使った本格フレンチだ。新鮮な魚貝や海藻は能登島でとれたものばかりで、俊雄さん自身が漁船に乗り込むこともある。米や野菜は、幸子さんが地元の田畑で無農薬栽培したものが中心で、塩や味噌も手作りする。
 通常はとれたての食材を使った料理を提供できるように1日1組限定で365日、ランチ・ディナーを問わず、貸し切って使うことができ、宿泊も可能だ。予約のない土日はランチのみ営業している。
 生まれも育ちも東京の幸子さんと山形で生まれ栃木で育った俊雄さんは東京・赤坂のフランス料理店での修業時代に出会って結婚。その後、独立して同じく赤坂でフランス料理店を構え、繁盛店に育て上げた。素材にこだわり、新潟や長野に自ら足を運んで山菜やキノコを仕入れるうち、田舎で暮らしながら自給自足型の店を持ちたいと考えるようになり、15年かけて全国各地を探し回った末、能登島に移住。幸子さんは「自然が豊かで食材も豊富、昭和初期にタイムスリップしたような町並みに独特の文化、まさに理想的な場所でした」と声を弾ませる。
 オープン後は口コミで客足が伸び、経営は順調だ。東京時代のなじみ客も仲間と連れ立って来てくれる。テレビで紹介されたこともあって、最近では京都からの客も増えた。週末の貸し切り予約は来年2月まで既にいっぱいだ。

 

能登の自然や文化を伝える体験型イベントに注力
 「生産者の思いを伝える通訳者として、能登島産の素材をおいしく食べてもらえるよう調理したい」と話す俊雄さん。さらに、幸子さんは「食を通じて能登の文化や風土を守り、地域活性化につながる取り組みを進めたい」と話す。
仲むつまじい長竹さん夫妻の写真 その一環として、里山でのタケノコ掘り体験、ヘイケボタルやウミホタルの観察会、能登でとれた魚や大豆を使ってかぶらずしや味噌を手作りするワークショップなどを企画し、好評を得ている。
 こうした活動を一層広げていくため、活性化ファンドの助成を受けて長竹さん夫妻が取り組むのが「セルフビルドキット」の開発である。これはくぎを使わず、誰でも簡単に組み立てたり、解体したりできるミニハウスだ。材料には能登の間伐材を使い、広さは四畳半ほど。テント代わりに耕作放棄地などに建てて、里山の自然を満喫しながら滞在してもらうのが狙いだ。
 また、土や貝など能登島の天然素材を使った和絵の具で日本画を描くプロジェクトも進行中で、現在は和絵の具開発と講師の育成に取り組む。「能登島には手つかずの宝物がたくさんある」と話す幸子さん。移住者の視点を生かした新たな地域づくりに今後も期待したい。

関連URL http://www.isico.or.jp/isico/i-maga/isico_v96
備考 情報誌「ISICO」vol.96より抜粋
添付ファイル
企業名 能登島Sans-souci
事業内容 レストラン・宿泊施設の運営
創業・設立 設立  平成26年10月
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