いしかわスタートアップステーション

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2014年度

最優秀起業家賞

受賞者

世界最小のマイクロタグを事業化

 

金岡 久夫

(株)フェニックスソリューション

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見事、最優秀起業家賞を獲得した金岡久夫さんが提案したのは、世界最小のマイクロタグを活用した事業である。「OCA」と名付けられたこのマイクロタグは縦0.46ミリ、横0.48ミリ、厚さ0.15ミリという小ささで、情報を記録するICチップと無線通信用のアンテナを世界で初めて一体化することに成功した。ICチップには512ビットの容量がある。商品などに埋め込んだり、貼り付けたりすれば、履歴管理や真贋(しんがん)判定、盗難防止といった幅広い用途に活用できる。例えば、OCAをいち早く採用したオーストラリアの会社では、車両情報を書き込んだOCAを塗料に混ぜて車体に吹き付け、車の盗難防止に役立てている。この会社では従来、盗難防止用にマイクロフィルムを貼り付けていたが、これでは情報を確認する際、塗料をはがし、顕微鏡を使う必要があった。OCAならば、アンテナをかざすだけで瞬時に情報を読み込める。また、OCA入りのピアスを実験用マウスに付ければ、研究履歴の管理や個体の識別が容易になる。また、試験管に取り付ければ、一本一本に入っている試薬の情報を管理することが可能になる。現在は100本の試験管のデータを一度に読み込むためのアンテナを石川県工業試験場と共同で開発中だ。用途として有望なのが物流会社における荷物の管理だ。従来、荷物の管理に使われているバーコードは、表示位置が限定されていたが、OCAはどこに貼ってあっても読み込みが可能で、より便利になる。金岡さんは「世界市場に向けてチャレンジ精神を忘れることなく、努力したい」と意欲を燃やしている。

 

優秀起業家賞

受賞者

高校生のアイデアをビジネスに

 

南手 英克

パトリ合同会社

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南手英克さんは、企業が抱える課題を高校生の力を借りて解決するビジネスプランを披露した。仕組みは次の通りだ。まずは企業や自治体が課題を提示し、これを解決するための企画を募るコンテストを開催。高校生は自由な発想で考え出したアイデアをネットで投稿する。優れたアイデアには企業が企画料を支払うほか、実際に事業化する場合は南手さんが仲介して知的財産権の調整を図る。企業にとっては、若い感性を生かしたアイデアを得られるほか、コンテストそのものが宣伝になる。高校生にとっても、リアルなビジネス体験が得られ、進路選びにも役立つ。有能な人材を確保したい企業と、自分に合った会社を探したい高校生にとって、マッチングの場にもなる。今春から金沢商業高校で試行が始まっており、既に6件を受注。南手さんは「若者の可能性を広げ、企業も発展するビジネスモデル」と手応えを感じている。

 

受賞者

障がいのある人の就職、定着をサポート

 

奥山 純一

ヴィスト(株)

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精神障がいのある方に、対人スキルやビジネスマナー、パソコンなどの訓練を実施し、就職を支援する奥山純一さん。平成24年7月の会社設立以降、2年間で23人が就職するなど、高い実績を誇っている。そんな奥山さんが提案したのは、精神障がいのある方が、幸せに長期就労できるようにするための新たな訓練コースの開設だ。きっかけは精神障がいのある人が、せっかく就職しても、長続きせず辞めてしまう場合があったことである。原因は仕事内容のミスマッチや体力不足、社内の人間関係などさまざまだが、奥山さんは「自分はどんな仕事に興味があるのか」「どんな時に体調を崩すのか」など、もっと自己理解を深められれば、長く働き続けられると分析。新コースでは、企業から受託したさまざまな作業や農作業に実際取り組んでもらうことで、自分自身の関心や適性、体調に関する気づきの機会を増やし、継続的な勤務を後押しする考えだ。

 

受賞者

出張FABファブで伝統工芸にイノベーションを

 

竹田 太志

(株)C8LINK(クリパリンク)

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竹田太志さんが手がけているのは、3Dプリンターやレーザーカッターといったデジタル工作機を車に積み、ものづくりに活用したい人のもとへと出向く「出張FAB」である。コンテストでは、この出張FABと石川の伝統工芸とのコラボレーションについて提案した。伝統工芸品の製造にデジタル工作機を活用するメリットのひとつは、これまでにない形状やデザインの提案が可能になることだ。また、デザインや製造のスピードアップ、コストダウンにもつながる。3DCGなど新しい技術が求められるので、業界内に若手を呼び込むことにもつながる。竹田さんは、まずは漆器での活用を想定し、石川県内の漆器業界への売り込みに注力する。将来的には「FABLAB(ファブラボ)」と呼ばれるデジタル工作機を常設した店舗の開設も視野に入れている。

 

受賞者

事業に共感してくれる仲間集めを橋渡し

 

清水 巧

(株)Combinator(コンビネーター)

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清水巧さんが発表したのは、企業がプロジェクト単位で協力者を募集できるウェブサービスだ。ユーザーは今の会社に勤めながら他社のプロジェクトに参画することが可能で、その結果、社外の知見を吸収し、新たな成長の機会を得ることができる。企業にとっては、事業活動に共感してくれた、意欲的な人材に手伝ってもらえる点がメリットだ。今年6月から試験サービスの提供を開始。135社が利用し、224人のユーザーとの出会いにつながっている。企業とユーザーの思いが一致すれば、就職、転職につながるケースもある。「既存の求人サイトの場合、求職者は知名度や給与体系でしか判断しないのでベンチャー企業には人が集まりにくい、事業に共感してくれる人が応募してこないといった課題がある」と清水さん。転職を前提としなくても他社の事業に気軽にかかわることができる仕組みを作り、日本を元気にすることを目指している。

 

受賞者

脳のリズムを整え、心と行動の成長を促す

 

長尾 紀久子

(株)金沢適応カウンセリング&研究センター

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臨床心理士の資格を持つ長尾紀久子さんが提供するのは、心理学と脳科学を組み合わせた心理カウンセリングに加えて社会適応技能トレーニングを施し、人の心と行動を成長させるサービスだ。トレーニング前後の変化を科学的に評価する点が強みで、最新の脳機能測定装置を含む複数の測定方法を利用すると同時に、世界中から優秀な研究者が集まるボストン大学数学研究室においてデータ解析を行う。用意しているのは、就職や結婚など、人生の一大イベントを無事に迎えるための「プレミアムコース」と、普段の仕事やスポーツの成績を上げるための「お手軽コース」。いずれも脳内でリラックス時に出るアルファ波など脳波のリズムを合わせることが基本で、利用者が自分の意思でそれらを整えられるように指導する。長尾さんは「プラス思考で毎日幸せな生活を送れる人を増やしたい」と将来の全国展開を視野に入れている。

 

ファイナリストと発表テーマ

受賞者

日本に点在する価値に光をあてる
中小企業簡単グローバル化パック

 

北郷 奈緒子・井堂 明子(写真右)

 

受賞者

感染性廃棄物を院内で処理するエコ・グリーン計画

 

綿崎 春光

(株)グリーン

 

受賞者

省資源に役立つ、微小径エンドミル向けの新しい高精度再研磨技術及び応用ビジネス

 

加藤 真一

加藤鉄工所

 

受賞者

スマホでパーキングゲートを開閉する次世代の駐車場オペレーションサービスの展開

 

畑野 義和

(株)セサミ・リモート