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湯涌温泉で安く素泊まりできる宿 予約サイトを活用して外国人を誘客 ~金沢湯涌ゲストハウス

印刷ページ表示 更新日:2017年10月26日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.

石川県内では既に途絶えてしまった湯治場を湯涌温泉で復活させようと平成26年7月に開業したのが金沢湯涌ゲストハウスだ。開業1年目こそ集客に苦しんだが、2年目以降は宿泊予約サイトを活用することで宿泊客数が増加。北陸新幹線開通に伴って急増する外国人観光客や湯涌温泉をモデルにしたアニメのファンなどから好評を得ている。

入浴は総湯や近隣の温泉で

足立康夫代表の写真 金沢湯涌ゲストハウスは、すし店兼民宿として使われていた2階建ての店舗を居抜きで活用した素泊まり用の宿泊施設だ。6畳から8畳の個室が3室、8畳から10畳のドミトリー(相部屋)が2室あり、最大25人が宿泊できる。トイレは共用で、風呂やシャワーはない。その代わり泉質の違う三つの温泉(湯涌温泉総湯・白鷺の湯、浅の川温泉・湯楽、板ケ谷温泉・銭がめ)で使える温泉利用券2枚を提供する。1人1泊4,000円で、長期宿泊客には割引サービスがある。
 開業3年目を迎えた昨年の月平均宿泊客数は、当初目標としていた100人を上回り、150人を超えた。湯涌温泉は平成23年にテレビ放送され、その後劇場版も公開されたアニメ「花咲くいろは」の舞台として知られる。近年では全国からアニメ好きの若者が訪れるなど客層が広がり、金沢湯涌ゲストハウスでも宿泊客の30~40%をアニメファンが占めている。
 もう一つの柱と言えるのがヨーロッパやアジアからの外国人観光客だ。宿泊客の30%ほどにもなる外国人は連泊が多く、中には1 週間ほど滞在する人もいる。
 「価格がリーズナブル」「和の雰囲気でゆっくりくつろげた」と好評で、年6回訪れる人や毎年ドイツからやって来る人など、リピーターも増えている。

助成金で全国の湯治場を視察

温泉街の中ほどに建つ金沢湯涌ゲストハウスの写真 「自炊場を備え、安く素泊まりできる。そんな湯治場を復活させたかった」。開業を思い立った理由についてそう話すのは足立泰夫代表だ。湯涌温泉に湯治場があったのは昭和30年代にさかのぼる。足立さん自身、趣味の山歩きで全国各地へ出かけた際、湯治場を好んで利用していたこともあり、懐に優しい宿を復活させれば、湯涌温泉に新たなニーズを取り込むことができて地域の活性化にもつながると確信し開業を決めた。
金沢らしい朱色の壁が印象的なドミトリーの写真 開業後は活性化ファンドの助成金を活用し、仕事の合間に北海道や東北、信州、九州などの湯治場やゲストハウス、ライダーズハウス(バイクや自転車の旅行者向け簡易宿泊所)を視察し、料金体系などの参考にしたほか、ホームページ(日本語版・英語版)やPR用のチラシなどを作成した。足立代表は「資金が不足する立ち上げ時に利用できて助かった」と笑顔で話す。

Booking.comで外国人を集客

 今でこそ月平均で150人を超える宿泊客を確保できるようになったが、自前のホームページやアニメファンの口コミだけに頼っていた1年目はその半分にも満たず、採算ラインを割り込む月が続いた。
アニメファンの宿泊客の写真 そこで2年目から活用を始めたのが宿泊予約サイトで、これによって、宿泊客数を大幅に増加させることに成功した。同社が現在契約する宿泊予約サイトは「楽天トラベル」「じゃらん」「Booking.com(ブッキングドットコム)」の3つだ。中でも金沢湯涌ゲストハウスの宿泊客が最も多く利用するのが世界最大の宿泊予約サイトBooking.comで、外国人客のほとんどがこのサイトを通じて予約を入れてくる。一時は宿泊間際のキャンセルに悩まされることもあったが、キャンセル料が発生するタイミングを「宿泊の前日」から「宿泊の5日前」へと改めることで歯止めをかけた。
 金沢湯涌ゲストハウスは昨年、Booking.comで10点中9点の高評価を獲得。宿泊者が投稿する口コミで目立つのが足立代表の面倒見がよく、気さくな人柄だ。例えば温泉に入ったことのない外国人と一緒に入浴してマナーを教えたことは一度や二度ではない。白川郷行きのバスを予約し忘れた外国人がいた時は、ドライバー役を買って出てツアーを敢行することもある。宿泊客も宿に愛着を感じてくれていて、ドミトリーにエアコンを設置する際には、宿泊客から寄せられた募金で費用の一部を賄った。

冬に楽しめるアクティビティを

外国人宿泊客の写真 今後の課題は閑散期の集客だ。月別に見ると、「花咲くいろは」に登場した祭りを再現する「湯涌ぼんぼり祭り」が開催される10月は客足が伸びる一方、カニやブリなど冬の味覚が充実する2月は料理を提供しない金沢湯涌ゲストハウスにとっては最も宿泊客数が落ち込む月だ。足立代表は「スノーシュー(西洋かんじき)を履いて雪山散策を楽しむなど、冬でも楽しめるアクティビティを企画して集客したい」と対策を練る。
 また、ネットを活用して外国人宿泊客をさらに増やすと同時に、金沢城公園から医王山、湯涌温泉を経て獅子吼高原に至る70キロの散策コース「金沢トレイル」の整備が進んでいることを受け、山歩きを楽しむ人へのPRにも力を入れ、集客につなげる考えだ。

企業情報

企業名 金沢湯涌ゲストハウス
創業・設立 創業 平成26年6月
事業内容 宿泊業

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備考 情報誌「ISICO」vol.96より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.96


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