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なるべく早く後継者を決め、長期的・計画的に育成を

印刷ページ表示 更新日:2017年1月5日更新

達人に聞く!

ISICOは11月28日、県地場産業振興センターで「中小企業のための後継人財を選ぶ・育てるポイント!」と題して、セミナーを開催し、経営者ら約30名が参加しました。住友信託銀行の上級主席財務コンサルタントとして数多くの事業承継相談を担当し、独立後も中小企業診断士として中小企業の事業承継支援を手がける佐々木文安氏の講演要旨を紹介します。

講師
株式会社エビス経営代表取締役 佐々木 文安 氏 

事業承継は経営・財産の両面から

株式会社エビス経営代表取締役 佐々木 文安 氏 写真 中小企業の経営者が後継者を選定する際は、まずは親族の中から候補者を探し、それでもいなければ従業員や外部からの招へいを検討するのが適切です。後継者が見つからない場合は、M&Aや廃業を検討しなければなりません。
 後継者がいる場合は、「経営」と「財産」の両方を承継する必要があります。経営の承継とは、経営者としての手腕や人脈、知的資産のほか、取引先や従業員からの信用の承継を差します。財産の承継とは自社株式や事業用資産の承継です。
 経営の承継にはある程度の時間をかける必要がありますから、後継者の決定はなるべく早く行ってください。できれば承継を予定する時期の10年前、遅くとも5年前には決めてほしいと思います。一方、財産の承継は比較的短い時間でも対応可能です。継ぐか否か、後継候補者の意思がはっきりしないうちから株式を渡す必要はありません。

まずは基礎能力が条件に

 では、どのように後継者を選べばよいのでしょうか。私は経営者にふさわしい資質を持つ者とは、洞察力・決断力・人間力を備えている人物だと考えています。ただし、これらは後天的に得ることが可能で、若い時に見極めるのは難しいものです。したがって、後継者を選ぶ際は、体力・気力・知力といった基礎能力のレベルで判断し、その上でいかに育成していくかに重点を置くといいでしょう。
 親族の中から選ぶ場合は、無用な争いを避けるため、兄弟など同じ権利を有する者の理解と同意を得ておくことが不可欠です。
 従業員から選んだり、外部から招へいしたりする場合は、親族側と後継者側との間で自社株式や借入保証に関する事項を明確にしておく必要があります。
 親族が自社株式を継続保有するならば、経営統治のため役員会を定例化し、非常勤役員として出席することを勧めます。株を放出するならば後継者への負担を考慮し、後継者および役員・従業員に時間をかけて譲渡してください。経営者が個人連帯保証から脱退する場合は、物的担保だけで信用補完できる経営体質を作っておく、または旧債分はそのまま残し、新債分を後継者が保証すればいいでしょう。

各部門で経験を積ませよ

セミナー風景 写真 中小企業の経営者は高度な経営判断とともに、直接現場を取り仕切るための多面的な能力や知識も要求されます。こうした能力や知識は短期間では習得できませんので、長期的に育成に取り組むことが大切です。
 具体的には現場や営業、経理など各部門をひと通り経験させましょう。早い段階で責任ある地位に就ければ、経営に対する自覚や責任感を醸成できます。もちろん、現経営者による直接指導も効果的です。
 視野を広げたり、人脈を作ったりするには他社での勤務を経験させるのも一つの手です。経営感覚を養わせるために、関連会社の経営を任せるのもいいでしょう。経営塾などで学ばせる方法もあります。ぜひ、早いうちから計画的に取り組むようにしてください。

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

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備考 情報誌「ISICO」vol.91より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.91


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