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ISICOは10月20日、県地場産業振興センターで「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」を開催した。将来有望な起業家を発掘するコンテストは今年で10回目を迎え、過去最多となる154人(県内113人、県外41人)の応募者の中から審査を勝ち抜いた9人が事業計画を発表。アイ・オー・データ機器の細野昭雄社長をはじめ起業家や経営コンサルタント、金融機関の担当者らが審査・評価した。今回の巻頭特集では、今後、ISICOが集中的に支援する最優秀起業家賞1人、優秀起業家賞5人の事業内容について紹介する。
新しい細胞培養器をこれからの世界標準に
島崎 猛夫
(株)ギンレイラボ
最高500万円の事業資金が交付される最優秀起業家賞に選ばれた島崎猛夫さんは、「新しい細胞培養器NICO-1(ニコイチ)による新規市場開発と新しい研究分野開発」について発表した。
NICO-1は、がん細胞と正常細胞など2種類の異なる細胞を同じ条件で培養し、相互作用などを観察するための容器である。従来型は2つの容器を上下に重ね、フィルターを通して培養液を共有する仕組みで、顕微鏡では底面の細胞しか観察できないなどの欠点があった。一方、NICO -1は2つの容器を隣り合わせに連結し、培養液を共有するため、今まで見えなかった部分が観察できるなど、従来型の欠点をすべて克服し、新たな成果が生まれている。
また、容器を接続しても漏れないようにするなど、製造には高い技術が必要だが、医薬品容器製造で実績のある伸晃化学(金沢市)と連携し、生産体制を整えた。成長著しい再生医療分野の研究などで利用を見込んでおり、既に全国の大学、研究機関、企業に納入を始め、国内大学のiPS細胞研究所でも使われている。価格は従来型と同等だ。
日本と海外で特許を出願中で、シンガポールでは既に成立した。少なくとも国内では2~3億円、海外で20~30億円の市場規模があり、5年後には1億円の売り上げを目指している。
企業名 | 公益財団法人 石川県産業創出支援機構 |
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創業・設立 | 設立 1999年4月1日 |
事業内容 | 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.91より抜粋 |
添付ファイル | |
掲載号 | vol.91 |