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障がい者の就労、定着をサポート 経営理念の共有、実践で成果向上 ~ヴィスト(株)

印刷用ページを表示する更新日:2016年7月26日更新

From USERs

各種支援制度の利用者に聞く
ISICOでは、企業の成長をサポートするためさまざまな支援制度を用意しています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。

うつ病や統合失調症、パニック障害などの精神障がい者や発達障がい者等に対人スキルやビジネスマナー、パソコンなどの訓練を実施し、就職をサポートするヴィスト。会社設立以降、約4 年で45 人が就職するなど、同業他社に比べて高い実績を誇る。さらに、「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」への出場をきっかけに、ISICOの支援制度を活用しながら人材育成や業容の拡大に取り組んでいる。

就労実績は全国平均の約4倍

奥山純一社長 写真 ヴィストが提供する「就労移行支援事業」は障がい者に通所訓練や仕事体験を通じて、就職活動や職場への定着を支援するサービスだ。
 豊富な訓練プログラムが特徴で、ワードやエクセルの使い方、あいさつや身だしなみの基本のほか、適切なコミュニケーションのとり方やストレスをコントロールする工夫など、その数は50種類以上に及ぶ。
 安定して長く働くことができるよう就職後の定着支援にも力を入れており、社員が定期的に面談を行い働きぶりを確認しながらバックアップしている。企業に対しても、指示の出し方に対してアドバイスしたり、作業をスムーズに進めるためのマニュアルを作成したりしてサポートしている。
 平成24年7月の設立以降、今年3月までに卸売や小売、医療、福祉、情報通信といった業種に45人が就職しており、これは全国平均の約4倍という好結果だ。利用者からは「一人で抱え込むよりサポートを受けた方が就職しやすい」「ストレス対処のコツが分かってきた」といった声が寄せられている。

県内で初めて企業内に事業所開設

 今年4月には金沢に続き、富山市内にも拠点を開設した。オープンから1カ月で約60件もの問い合わせが寄せられ、既に18人が通所している。
 続いて5月には野々市市内のリサイクルショップ「ノノイチマルケット」にも拠点を設けた。企業の中にヴィストのような就労支援施設が開設されるのは県内では初めてだ。現在、6人がリサイクル品の仕分けやパッキング作業に取り組んでいる。
 従来、ビジネスマナーなどについて学ぶ訓練は施設内で、仕事体験は企業などに出向いて行ってきたが、これによって一つの施設内で両方とも実施できるようになる。リサイクル店にとっても、人手の確保や人件費の削減につながるほか、行政や医療・福祉の関係者、障がい者の家族の来店が見込める点もメリットだ。
アフリカン・ペイントアートをデザインした転写シールの貼り付け作業 ヴィストの奥山純一社長は「仕事内容のミスマッチや体力不足、社内の人間関係などが原因で、せっかく就職しても、長続きせず辞めてしまうケースがあります。訓練と仕事の差をなるべくなくして、より就労環境に近い職場で仕事を体験してもらうことで、将来、一般企業に就職した後も離職せずに、継続的に勤務できるように後押ししたい」と効果を見込んでいる。
 ヴィストにとってもう一つの柱と言えるのが「就労継続支援A 型事業」である。これは働く意欲はあるものの就労移行が困難な障がい者に、雇用契約を結んで就労の機会を提供するもので、現在、金沢市内2カ所で施設を運営し、30人が利用している。
販売されているマグカップ より多くの雇用を創出しようと、自社でも商品開発に取り組んでいる。その第一弾は、アフリカの動物が描かれたペイントアートをデザインした九谷焼マグカップだ。障がい者が絵の描かれた転写シートを貼り付け、能美市内の工房で焼き上げ、販売している。

業界トップの指導受け「クレド」を導入

 会社設立からわずか4年あまりで石川と富山に5つの事業所を構え、全国平均を大きく上回る成果を挙げるヴィスト。この原動力について奥山社長は、「豊富な訓練プログラムや障がい者を受け入れてくれる求人の開拓力だけでなく、企業の経営理念を全社員がしっかりと共有し、実践できている点にあります」と力を込める。
 それを後押ししたのがISICOの支援だった。きっかけとなったのは平成26年11月にISICOが主催した「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」に出場したことである。コンテストでは7分間で事業計画を分かりやすくP Rする必要がある。本番に向け、ISICO職員のアドバイスを受けながらプレゼンテーションの内容をブラッシュアップすることで、会社のあるべき姿を見つめ直し、「障害のある人の働く希望をつくる」というビジョンをあらためて明確化する機会となった。コンテストでは優秀起業家賞に輝き、賞金100万円を獲得。賞金は業界ナンバーワンの実績を誇る企業の視察や社員研修に活用した。
 また、平成26、27年度はISICOの専門家派遣制度を活用し、民間の専門家を招き指導を受けた。その一環として作成したのがクレドである。クレドとは「信条」を意味するラテン語で、経営理念や行動指針を分かりやすく記したものである。ヴィストでは社員も交えてそれらを明文化し、名刺大のカードにまとめた。社員は常に携行し、クレドに照らし合わせながら行動することで、企業の目指す方向性を正しく理解し、力を結集させることができるようになったという。
 奥山社長は「ISICOの支援を受けて、自分の考えを明文化し、共有できるようになってからは主体的に行動する社員が増え、業績も上向きました」と手応えを話す。

法改正で増えるニーズ 事業領域拡大を目指す

自分自身の強みや弱みを理解するための訓練プログラムに参加する利用者 写真 障害者雇用促進法の改正によって、平成30年度からは、民間企業の法定雇用率が引き上げられ、現在対象となっている身体障がい者や知的障がい者に加え、精神障がい者も適用されるため、この先、ヴィストの出番はますます増えそうだ。

 さらに奥山社長は「身の回りのさまざまな機器をインターネットにつなげるIoTやAI(人口知能)が進歩して普及すれば、仕事内容が多様化し、就労支援に対するニーズは一層高まる」と話し、「将来は障がい者だけでなく、あらゆる人が生き生きと働ける社会を実現することを目指して事業領域を広げていきたい」と意欲を見せている。

企業情報

企業名 ヴィスト 株式会社
創業・設立 設立 平成24年7月
事業内容 就労移行支援事業、就労継続支援A型事業

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備考 情報誌「ISICO」vol.88より抜粋
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掲載号 vol.88