イメージ伝える重要性を学び　商品紹介ページの改善に生かす　～キトラ(株)

サイトにかける情熱　Passion to a site　

ISICOではインターネットによる販路開拓をサポートしています。支援先の中から、熱い思いを胸にサイトの改善に挑む、意欲的な取り組みを紹介します。

［ 枕の専門店　あごまくら ］

http://www.rakuten.co.jp/agomakura/

実店舗で売れない商品に大量注文

　枕を製造、販売するキトラでは現在、楽天市場店とYahoo! ショッピングにネットショップを構えるほか、Amazon、ポンパレモールを通じたネット販売を手がけている。寝具問屋や量販店への卸売りが伸び悩む中、約5年前から始めたネット販売は右肩上がりで、同社の成長を牽引している。
　ネットショップでの売れ筋商品の一つが、触った時にひんやりと感じる生地を使った抱き枕だ。楽天が年に数回開催するイベント時には30分で約150個を売り上げたこともあった。とはいえ、寝具店等での抱き枕の売れ行きは決して良いとは言えない。ネットショップの運営責任者を務める長屋弘営業課長は「抱き枕は大きくて持ち運びが面倒ですから、自宅まで届けてくれる通販で購入する人が多いのでは」と分析している。
　このほかネットショップでは、マイクロファイバー素材を使った温かな抱き枕や、定番商品でも黒色など寝具店ではあまり売れないような色の商品を販売している。メーカー直販だけに高品質の商品をより安く提供できることに加え、このように幅広く集客が見込めるネットショップの特性を考慮し、ニッチなニーズを取り入れる商品展開が奏功している。

視覚に訴える写真術に感心

　平成26、27年度にはISICOの専門家派遣制度を活用し、ホームページドクターのアドバイスを受けながら改良に取り組んだ。長屋課長は「ネットショップに関する専門的な知識やノウハウがありませんでしたから、とても助かりました」と笑顔を見せる。
　多岐にわたるアドバイスの中でも参考になったのが、商品の見せ方だった。例えば、先ほど紹介した温かな抱き枕の紹介ページでは、専門家の助言を参考に商品を抱えた女性が暖炉の前でたたずむ写真を掲載。長屋課長は「私たちだけで考えていては暖炉という発想はまったく出てこない。商品の機能性をイメージさせるにはこういう方法もあるのかと勉強になった」と話す。
　このほかにも、売り上げを伸ばすためにどのような広告を使えばよいのか、検索結果の順位を上げるにはサイト内でどのような言葉遣いをすればよいのかなど、長屋課長が運営上で普段抱えている悩みや疑問点を投げかけてアドバイスをもらい、改善につなげていった。
　「ネットショップの売り上げをさらに伸ばすために、今後はストーリー性のある商品紹介ページを作っていきたい」。長屋課長はそう話し、絶え間なく改善に取り組む考えだ。

■ ホームページドクターからのメッセージ 西田 上さん（九谷物産（株）代表取締役社長） 今回は楽天市場での販売方法を中心にお話させていただきました。楽天市場ならではの店舗への導線、さらに商品ページから購入に至るプロセスを具体的に理解してもらうことが楽天市場を含めショッピングモール特有の販売手法になります。無駄な広告投入を減らし転換率を高め、価格で比較されないサービス、商品力が今後の成長の鍵になると思います。