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ISICOでは、企業の成長をサポートするためさまざまな支援制度を用意しています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。
「SHOKUDO YArn」は昨年8月、小松市にオープンしたばかりの創作料理店である。オーナーシェフの米田裕二さんとデザートを担当する妻の亜佐美さんは、イタリアとスペインの有名星付きレストランで腕を磨いた経験を持つ。裕二さんは日本料理店の調理長を務めたこともあり、和の中に洋のエッセンスを取り入れるなど、食のジャンルを超えた独創性の高い料理を提供する。
また、「食事の時間を楽しんでほしい」との思いから、メニュー名、盛り付け、提供方法などにも工夫を凝らしている。
客席数はフロア12名、個室6名。亜佐美さんの父が営んでいた撚糸工場をリノベーションした店舗は、「お客様との関係を密にできるように」との考えから、どの席からもガラス越しに厨房の様子が見える造りだ。
中庭にスペイン産のオリーブの木が植えられていたり、壁には土漆喰を、器には石川の伝統工芸を取り入れたりするなど、料理のコンセプトと同様に、和と洋を組み合わせた店舗となっている。
ちなみにYArnは英語で撚糸を意味し、二人のイニシャルを大文字にした。SHOKUDOには「食の道を極めたい」との二人の思いが込められている。
オープン以来、口コミで評判が広がり、現在、ランチはほぼ満席、ディナーは約7割の客入りが続く。来店時に次の予約を入れていく客もいて、上々の滑り出しとなっている。
念願だった開業に向け、平成25年から構想を練り始めた米田夫妻は、仕入れ先の農家を通じてISICOに相談。専門家派遣制度を活用し、事業計画書の作成やブラッシュアップについてアドバイスを受けたほか、国の創業・第二創業促進補助金への採択にもつながった。
裕二さんは「料理以外のことに、なかなか頭が回らなかったのですが、専門家にフォローしてもらったおかげで、オープンまでにやるべき仕事を整理でき、スムーズに進められました」と笑顔で話す。
また、食材の仕入れについても、ISICOがこれまで培ってきたネットワークを活用。合わせて、ISICOが共催する、農林漁業者と商工業者とのマッチングを目的とした地産地消受注懇談会にも参加した。こうした取り組みを通じ、加賀れんこん、のと猪部里児(いべりこ)(豚肉)、宝達葛(くず)、燻製(くんせい)用のリンゴの枝など、数多くの県産の素材を調達した。
「せっかく石川で開業したのですから、ここでしか表現できない料理を創造したいと考えています。そのためにもISICOの協力も得て、店の運営を確かなものにしていきたいですね」と裕二さん。理想の店づくりに燃える二人の奮闘ぶりにこれからも注目したい。
企業名 | SHOKUDO YArn |
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創業・設立 | 創業 平成27年8月 |
事業内容 | 創作料理店 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.86より抜粋 |
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掲載号 | vol.86 |