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【巻頭特集】中小企業の人材確保・定着へ成功のヒントを探る CASE 01 社員の本音に耳を傾け企業風土の改革に着手 ~野々市運輸機工(株)

印刷用ページを表示する更新日:2016年3月7日更新

【巻頭特集】中小企業の人材確保・定着へ成功のヒントを探る 

少子高齢化によって労働力人口が減少する中、人手不足や離職率の高さに頭を悩ませている中小企業は少なくない。企業の成長や新たな事業展開を支える人材の確保は、重要な経営課題の一つと言えるだろう。そこで今回の特集では、人材難を解消するために積極的な取り組みを敢行し、採用や定着率アップにつなげた2社の事例を紹介する。

社員の心を通わせるありがとうカード

吉田章専務と社員の皆さんの写真 工作機械や鋼材など重量物のトラック運送を手がける野々市運輸機工。人手不足が慢性化する業界にあって、同社もドライバー不足に悩まされてきたが、ここ数年で企業風土の改革に取り組み、人材の採用、定着につなげている。
 改革の象徴とも言えるのが、昨年3月にリフォームした休憩室だ。ドライバーの要望を取り入れ、以前は外部から丸見えでくつろぐことができなかった点を改善したほか、室内を分煙化し、ミーティングスペースも設けた。
 何より特徴的なのが壁一面に掲げられた大きな黒板だ。黒板には業務上、共有すべきさまざまな情報に加え、仕事で助けてもらったときなどに、社員が感謝の気持ちを記す「ありがとうカード」、普段の仕事の中で取引先から喜ばれた出来事などを書いた「感動シート」と呼ばれるカードがずらりと掲示されている。社員同士の関係性にスポットをあてるこうした取り組みが、モチベーションを高め、社内の雰囲気やコミュニケーションを良くすることにつながっているのだ。

「このままでは皆が辞める」社員の一言に危機感

 社内改革の推進役を担ってきた吉田章専務がその必要性に気付かされたのは、繁忙期で社内が殺伐とする中、ある社員から「このままだと皆辞めていくぞ」と言われたことだった。しばらくすると、入社したばかりの若手社員から「社内の雰囲気が悪いので辞めたい」と打ち明けられ、危機感を一層強くした。
 何から手を付ければよいのか、頭を抱える吉田専務にヒントを与えてくれたのは創業者の「今日の会社があるのは従業員の頑張りのおかげ」という言葉である。吉田専務は「まず社員と向き合おう」と心に決め、対話の機会を設けた。経営者からの話を一方的に伝えるだけだった全体会議を社員の思いや意見を共有する場に変え、さらに、創業以来初めて、社員一人ひとりとの個人面談を行い、社員の本音を引き出そうと腐心した。
 話し合いを重ねるうちに吉田専務が気付いたのは、労働条件に対する不満はあるが、社員はその奥底に「会社としての芯がほしい」「もっとスキルを磨きたい」「みんなとつながりを持って仕事をしたい」という前向きな思いを強く持っているということだった。
 その後、こうした思いに応えることこそが、社員の満足度向上につながると考えた吉田専務は、会社の変化を社員に実感してもらおうと、さまざまな取り組みを続けざまに打ち出した。

会社の雰囲気が好転 異業種からの転職者も

 まず、取り組んだのが経営理念の成文化だった。さらに経営理念を社員に理解してもらうための研修も実施。社員が経営理念について具体的に考え、意見を出し合う場を設けた。経営理念の策定やその具現化のためのミーティングの実施にあたっては、ISICO の専門家派遣制度を利用し、アドバイスを受けた。
 冒頭で紹介した「ありがとうカード」や「感動シート」のほか、社内報の発行もその一つで、月1 回、新たな資格を取得した社員の紹介など、明るい話題に絞って情報発信している。また、玉掛け、クレーンなど、業務上持っていれば有利な資格の取得費用を全額補助する支援制度も創設した。
 「人はお礼を言われればまた手伝おうという気持ちになりますし、注目されたり、応援されたりすれば頑張ろうと思います。この気持ちが広がって社内の雰囲気も好転していきました。資格取得支援など、社員から出た意見を制度に反映させることで、社員が自主性を持って行動する機会が増えたように思います」(吉田専務)。
 こうした取り組みは、昨年6月にリニューアルしたホームページやフェイスブックでも発信。すると会社の雰囲気が伝わったのか、今まで応募がなかった20代、30代の若手や異業種の人材から応募があり、数名を採用した。定着率も高まり、一度辞めた社員が戻ってきたケースもあった。
休憩室の黒板には社員同士で感謝の気持ちを伝えるカードなどがずらりと貼り出されている 「社内に問題があると外に解決策を求める人が多いが、答えは必ず社員の中にある。その点、野々市運輸機工は社員との双方向のコミュニケーションに力を入れ、企業風土を変える土台を作った好例」と話すのはISICO人材支援課アドバイザーの矢部敏明である。
 手応えを感じた吉田専務は現在、若手リーダーを巻き込んだ改革チームづくりに加え、社員の成長ぶりや手本になるような取り組みなどをクローズアップして伝える社内報年明けからはテーマごとに7つの委員会を設け、全社員がそのどれかに参加する取り組みをスタート。そこから出てきたアイデアを生かし、「機嫌のいい、おもしろい職場づくり」(吉田専務)を加速させている。

企業情報

企業名 野々市運輸機工 株式会社
創業・設立 創業 昭和41年1月
事業内容 一般貨物自動車運送事業

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備考 情報誌「ISICO」vol.86より抜粋
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掲載号 vol.86

 


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