ISICOではインターネットによる販路開拓をサポートしています。支援先の中から、熱い思いを胸にサイトの改善に挑む、意欲的な取り組みを紹介します。
[ 金沢・近江町 株式会社松本 ]
料亭などに向けた高級食材の卸売りを手掛ける松本が、通販サイト「おいしい店ドットコム」に続き、新たに自社紹介サイトを立ち上げたのは平成26年のことだ。
集客力のある既存の通販サイトを拡張するのではなく、あえて新設した理由を、松本信之社長は「当社の食と料理に対するこだわりを強く情報発信したかった」と話す。
同社では高級食材の卸売りだけでなく、生産者や飲食店の声を取り入れたオリジナルメニューの開発支援にも力を注いでいる。飲食店の経営者などの声を聞き、話し合いながら、一緒になって新商品の開発を行うのだ。新サイトでは、そうした食への情熱を見てもらいたいという。
新サイト構築にあたっては、自社がどのような会社かがすぐにわかるようシンプルなサイト構成を心掛けた。
一方、コンテンツの内容には熱い思いを込めた。オリジナルメニューについて、その開発ストーリーや食に対する思いを、松本社長自らが書き下ろしているのだ。こうした取り組みにより、ホームページを見に来た人は、同社がどのような情熱やスキルを持っているかを具体的にイメージすることができる。
さらには、その情報をより広く共有できるよう、FacebookなどSNSのシェアボタンも設置した。企業サイトではなかなか見られないLinkedin*1 やTumblr*2 などへの対応も行っている。
サイトには、他でまだあまり見られない取り組みがもう一つある。それが、全ページをSSL*3に対応させる常時SSLだ。これにより、通信データが暗号化され、ユーザーの情報が盗まれることを阻止できるなどのメリットが見込まれる。
「ホームページはその会社を表すものです。BtoBを意識するなら、これからは常時SSLが信頼を得る助けの1つになると思います」と松本社長は語る。
昨今では、Googleが常時SSLサイトを検索順位で優遇するようアルゴリズムを変更しつつあり、Googleは「長い期間をかけて強化していく」と予告している。
こうした松本社長の果敢な取り組みを支援しているのは、中小企業診断士でISICOホームページドクターでもある遠田幹雄氏だ。これ以外にも、社内の情報共有、食材のデータベース化など、幅広く支援し、売り上げ増に貢献している。
こうした遠田氏の支援もあり、平成26年2月には、経済産業省の「中小企業IT 経営力大賞2014」で、IT経営実践企業に認定されている。
今後も、さらなる売り上げアップを目指して「おいしい店ドットコムのリニューアルも計画中です」と、松本社長はやる気をみなぎらせている。
*1 ビジネス特化型のSNS。人材獲得や転職などに活用されている。
*2 シンプルな機能とデザインが特徴のSNS。若い世代に人気。
*3 インターネットなどのデータ通信を暗号化する技術。
![]() ■ ホームページドクターからのメッセージ 今後の企業サイトは「常時SSL」にしていくべきでしょう。 問い合わせメールフォームの安全性を高めることになります。 また、もしなりすましサイトを作られたとしても、「独自ドメインが常時SSL 」なら信頼性を確保できます。 |
企業名 | 株式会社 松本 |
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創業・設立 | 創業 昭和33年 |
事業内容 | 珍味・総合食品の卸売り販売、淡水魚養殖・天然魚の販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.85より抜粋 |
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掲載号 | vol.85 |