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新事業を軌道に乗せ、経営の柱に トマトのジャムやたい焼きが人気 ~(有)まるしょう

印刷用ページを表示する更新日:2016年1月5日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.

地元の野菜を使った無添加漬物を製造するまるしょうでは、出荷規格外の野菜や果物を使った手作りジャムを商品化。テレビ番組で紹介されたことをきっかけに人気に火が付き、売り上げが増加したほか、取引先も拡大した。また、ジャムや県産野菜を練り込んだあんがたっぷり詰まったたい焼きも発売。こちらも好評を得ており、本業である漬物の売り上げが落ち込む中、新たな事業の柱に育っている。

規格外の旬の野菜・果物をジャムに

自社農園と契約農家の野菜や果物を使った手作りジャム(150グラム入り・680~780円) 写真 まるしょうが販売する「農家まりちゃんの手作りジャム」は地元小松の特産であるトマト、能美産のユズ、加賀産の梨、金沢産のリンゴなど9種類をラインアップする。珍しいものでは自社農園で育てたルバーブを使ったジャムもある。ルバーブはタデ科の西洋野菜で、紅色を帯びた太い葉柄を食用とする。煮てジャムやゼリー、ソースにするのが一般的で、同社のルバームジャムも甘酸っぱくておいしいと評判だ。
 同社のジャムは、新鮮な材料を5~6時間、じっくりと煮込んで手作りする。有機栽培されたサトウキビから精白せずに作るオーガニック砂糖のみで炊き上げ、香料や保存料などの食品添加物を一切使用していない安全・安心なジャムに仕上がっているとともに、野菜・果物が本来持つおいしさや素朴な風味を楽しめる。
 現在、同社のホームページと店舗、道の駅こまつ木場潟、JAあぐり、めいてつ・エムザ、かがやき屋本店(香林坊大和地下1階)などで販売している。
 発売は平成22年にさかのぼる。今でこそ人気商品に育ったが、当初は思ったように売り上げが伸びなかった。転機となったのは平成25年に全国ネットのテレビ番組で紹介されたことだった。以前、石川へ旅行に訪れたテレビ番組のディレクターが、そのこだわりにひかれて購入したトマトジャムのおいしさに感動し、大きく取り上げてくれたのだ。
 「放送から一カ月は電話が鳴りっぱなしでした。在庫はすぐに底をつき、追加の製造に追われました。そのうち材料もなくなってしまったことから、中には1年待ってもらった方もいました」。
 当時の様子をそう振り返るのは北村眞理子専務である。その後、おいしさに注目した果樹園や金沢市内のホテルからはOEMの依頼も相次ぎ、菓子メーカーに業務用としてジャムを供給するなど、取引先も着々と拡大している。ジャムを挟んだ焼き菓子であるブッセも商品化した。

活性化ファンドで冷凍たい焼きを開発

 余勢を駆って平成26年には「羽根付きベジフルたい焼き」の製造、販売をスタートさせた。ジャムからたい焼きへの展開は突飛に見えるが、北村専務によれば小松はトマトとニンジンの県内有数の産地で、それらを使った商品の開発依頼があり、トマトジャムの応用として、トマトあんを考案したのが発想の原点だった。
 もちろん、たい焼きにもたくさんのこだわりが盛り込まれている。まず、中身のあんにはトマト、五郎島金時、大納言小豆の3種類をそろえた。「他にない特徴を」と北村庄五社長が考案したトマトあんは、小松産トマトのペーストとジャムに白あんを練りこんだもの。ほんのりピンク色で、ほどよい酸味とトマトの風味が感じられるさわやかな味だ。生地には小松産ニンジンのピューレが練り込まれている。外はパリパリ、中はもっちりとした食感を楽しめる。
羽根付きベジフルたい焼き(1個180円) トマトあんはほんのりピンク色 写真 たい焼きは週に2日から5日、県内のJA直売所やショッピングセンターなどに出張し、焼きたてを販売。企業に出向くこともある。物珍しさも手伝ってか、発売当初から行列ができる人気ぶりで、最も多い日には1,360個を売り上げた。
 さらに、新事業の拡大に挑むために、平成27年度には活性化ファンド事業に申請し、採択された。
羽根付きベジフルたい焼きの出張販売風景 写真 ファンドを利用した取り組みのひとつは、キッチンカー(移動販売車)のリースだ。これまではたい焼き機を設置したり、ガスボンベをつないだりと準備や後片付けに手間がかかっていたが、キッチンカーを導入すれば、省力化が可能だ。加えて、ガスや水道が整備されていないようなイベント会場にも気軽に出店できる。既に開発に取りかかっており、平成28年以後、平日には同社前での販売を予定する。
 また、冷凍たい焼きの開発にも取り組んでいる。これは出張販売を行っている店舗や消費者から「常時販売してほしい」という要望が多く寄せられたことが端緒で、現在はおいしさを損なわないための冷凍方法やパッケージについて、研究を重ねている。
 土産用やネット販売に適した商品にするため、ブッセをより長く日持ちするように改良することも今後の目標だ。

売り上げの約40%は新事業に

 同社がこうした新事業に力を入れる背景には、本業である漬物の販売不振がある。
 そもそも北村社長の家は代々農業を営んできた。しかし、精魂込めて育てた野菜が天候により価格が暴落したり、不作だったりする現状を見て「これではあまりに悲しい」(北村社長)と自家製野菜を使った漬物製造に乗り出した。製造にあたっては夫婦ともに東京農業大学で学んだ知識をもとに、化学調味料などを一切使わず、北陸の漬物メーカーではいち早くミネラル豊富な天日塩を使うなど、こだわりを貫き、売り上げを伸ばしてきた。
 経営状況が変わり始めたのは約10年前である。食生活や嗜好の変化が進んだことから売り上げが減少。今では当時の約半分にまで目減りした。同時に、異常気象による野菜価格の高騰、価格競争の激化によって収益性も悪化した。
 そんな時に目を付けたのが、形がいびつであったり、傷があったりして出荷規格を満たさず、廃棄されてしまう野菜だった。これを活用できれば、新たな事業の柱ができるだけでなく、地元農家にも喜ばれ、産地の魅力発信につながるというわけだ。
土日は自らたい焼きを焼き、新事業の成長をリードする北村眞理子専務 写真 もちろん、ジャムやたい焼きを作るのは初めての経験である。ジャムならばいかに限りなく自然で安心な商品を作るか、たい焼きならば他にはないオリジナリティや地元食材を取り入れたあん作りなど、試行錯誤の末に完成させた。
 苦労も多かったが、現在ではジャムやたい焼きの売り上げが全体の約40%を占めるまでに成長した。今後漬物に関しては、根強いファンが多い大根寿司など、こだわり商品に経営資源を集中させる一方、地域の特産品を生かしたジャムやたい焼きの開発をさらに進める計画で、北村社長は「いずれは新事業を経営の主力にしたい」と青写真を描いている。

企業情報

企業名 有限会社  まるしょう
創業・設立 創業 昭和56年4月
事業内容 漬物、ジャム、たい焼きなどの製造、販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.85より抜粋
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掲載号 vol.85