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技術の動向や優位性を確認 特許マップ活用し、販路拡大へ ~(株)小松プロセス

印刷ページ表示 更新日:2015年10月15日更新

新たなる挑戦

いしかわ次世代産業創造ファンド(次世代ファンド)や国のプロジェクトを活用したり、知的財産権に関する取り組みなどを行い、成果を上げた企業を紹介します。

トンネル工事の現場やリニアの開発で活躍

 小松プロセスの主力製品のひとつが、再帰反射性のカラーインクや塗料である。再帰反射とは、ライトで照らすと光が照射方向にはね返ってくること。同社の製品は、微細なガラスビーズと反射材、色素などを混ぜ合わせ、優れた再帰反射性と豊富なカラーバリエーションを実現している。
 夜間に抜群の視認性を発揮し、塗料と同じ色で光るという特徴を生かし、開発当初は衣服やバッグなどに使われた。コンクリートや木材、鉄にも塗布できることから、その後、踏み切りにある防護柵やトンネルの防護工など、事故防止や安全確保を目的とした構造物にも使われている。

トンネル工事の現場で掘削面に再帰反射性塗料を塗布する様子と変位の計測状況 写真

 近年では、思いがけない用途で使われることも増えてきた。例えば、鉄道総合技術研究所では、リニアモーターカーの開発実験に使用された。どれだけ電流を流せば車体が浮上するかを調べるため、レールと車体に相当するものそれぞれに塗料を塗り、レーザー変位計で位置の変化を計測した。また、鉄道の沿線にある橋に塗料を塗り、物体の振動を計測するレーザードップラー計を使って、その揺れ具合を計測した。
 鹿島建設ではトンネル工事の際、掘削面の監視にこの塗料を活用している。掘削面の上部に塗料を塗り、レーザー変位計によって変位を計測することで、崩落の予知に役立てるのだ。これにより、塗料を使わず掘削面に直接レーザーを当てる従来の方法に比べ、計測精度が大幅にアップした。開発した技術は鹿島建設、鉄道総研と共同で特許を出願。今後は建設コンサルタントなどに技術を売り込む計画だ。

新たな連携に向け、知名度向上を目指す

 計測という新たな用途を商機ととらえた松浦宏明社長は、昨年度、開発に取り組む企業や類似技術の動向などを把握し、今後の販路拡大に役立てようと、弁理士の協力を得て、特許マップを作成した。特許マップとは、特許情報を収集・分析し、視覚的に分かりやすく図示したものだ。作成にあたってはISICOの特許マップ作成支援事業を利用した。
松浦宏明社長 写真 「再帰反射」と「計測」をキーワードに調べた結果、大手を含め、多くの企業が技術開発にチャレンジし、多大な関心を寄せている一方、ほとんど実用化されていないことが分かった。また、類似技術として光を反射するテープはあるものの、凸凹のある形状や球体に張るのは難しいことから、インクや塗料の技術的な優位性を確認することができた。松浦社長は「計測分野はマーケットとしては小規模だが、企業や大学に使ってもらえれば、当社の知名度が上がり、取引先や用途がさらに広がる」と期待を寄せる。
 現在は特許マップを分析した結果を生かし、再帰反射性塗料のニーズを見込める企業に対して、ISICOの販路開拓に関する支援メニューを活用してアプローチをかけている。今後も企業や大学と共同での開発、特許取得に取り組み、用途開発や販路開拓につなげていく考えだ。

企業情報

企業名 株式会社 小松プロセス
創業・設立 設立 昭和45年11月
事業内容 染料顔料等色材の粉砕配合及び微粒子化分散物の製造・販売、再帰反射性カラーインク・塗料の製造販売など

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備考 情報誌「ISICO」vol.83より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.83


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