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石川県とISICOは8月28、29日、愛知県豊田市のトヨタ自動車サプライヤーズセンターで「新技術・新工法展示商談会」を開催した。この商談会は、県内企業がトヨタ自動車(株)およびその関連企業に技術や商品を紹介する取り組みで、機械や繊維など県内の51企業が70テーマについてアピールした。今回の特集では、その中から6社の提案について取り上げる。
来場者に対して実施したアンケートで、最も関心を集めたのは繊維である。炭素繊維を加工しやすいシート状の素材に成型する技術について提案した一村産業(株)もその一つだ。炭素繊維は金属などに比べ、軽くて強度が高い点が特長だ。従来の技術では、長時間、加圧・加熱しながらゆっくりと成形する必要があったため、生産量が少なく製造時間に余裕のある航空機の機体に活用される一方で、製造時間が短い自動車の生産には不向きとされてきた。新たに開発したシート材は、短時間熱するだけで自由に変形することができ、冷やすと再び固くなる性質を持たせることで、成型時間を飛躍的に短くした。
通常、車体に使われてきた一般的な鋼板と比べても、重さは約1/5、強度は5~7倍にもなる。車体が軽くなれば、当然、燃費が向上し、環境にも優しい。今回の商談会を通して、渡辺捷昭社長が高い関心を示したのをはじめ、30社から70数件の問い合わせが舞い込んでいる。石井銀二郎社長は「一つ一つ丁寧かつスピーディーに応えていきたい」と意気込んでいる。
企業名 | 一村産業 株式会社 |
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創業・設立 | 設立 1979年1月 |
事業内容 | 衣料用Textileおよび産業用資材(発泡性樹脂、炭素繊維成型品)の生産・販売 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.42より抜粋 |
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掲載号 | vol.42 |