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専門家と二人三脚で、経営革新支援制度に認定

印刷ページ表示 更新日:2015年4月7日更新

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各種支援制度の利用者に聞く

ISICOでは、企業の成長をサポートするためさまざまな支援制度を用意しています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。

漆とステンレスを融合 中国市場を目指す

山中漆器の漆塗り技術とステンレス、金沢箔が融合した漆磨(シーマ)のビアカップ 山中漆器を製造、販売するウチキのヒット商品となっているのが、ステンレス製のビアカップなどに漆塗りを施した「漆磨(シーマ)」シリーズである。世界的にも評価の高い新潟県・燕三条の金属研磨技術と、約400年の歴史を誇る山中漆器の技術を融合させた逸品は、高級感と温かみにあふれたデザインで、ビールを注げばきめ細かいクリーミーな泡立ちが楽しめる。同社では、これに越前和紙のコースターをセットにして販売しており、約2年半前の発売以降、売り上げの10%強を占める人気ぶりだ。
 昨年からは、県より中小企業経営革新支援制度の認定を受け、ワンランク上を目指した商品開発と海外への販路開拓に取り組んでいる。新たに開発したのは、漆磨のビアカップやタンブラーに、金沢箔を取り入れた商品だ。白檀(びゃくだん)塗りと呼ばれる漆を塗った後に金銀箔や金粉で装飾し、その上から透き漆を塗り重ねて仕上げる技術が用いられ、華やかさが一層増した。3月には、石川県が中国全土からバイヤーを招いて上海で開く商談会に出展し、販路開拓の足がかりとする。また、中国市場向けには内側に金メッキを施した商品も企画する。
 認定にあたっては、ISICOの専門家派遣制度を利用し、打出浩喜社長と中小企業診断士が二人三脚で収支計画の作成、必要となる運転資金の検証、申請書類の作成などに取り組んだ。

閑散期の仕事を創出 産地活性化に寄与

 同社が漆磨シリーズの開発を始めたのは、中国で開かれた展示会に出展した際、隣のブースに展示されていた燕三条のステンレスカップを見て、中国人客が「これに漆が塗ってあれば面白い」とつぶやいたことがきっかけだった。
 とはいえ、ステンレスに直接漆を塗れば、弾いてしまって定着しない。そこで、打出社長は下塗り用の材料探しに奔走したが、適したものはなかなか見つからなかった。ようやく試作がうまくいっても、食品衛生上、ふさわしくなく、実用化できないこともあった。最終的には塗料メーカーと連携し、オリジナルの材料を開発したのだが、漆を美しく塗るための技術的な工夫を凝らす必要があったことから、下塗りした後の加熱方法や温度、加熱時間を何度も見直した。
打出浩喜社長 漆磨がヒットして、打出社長が喜んでいるのは、漆器職人の手が空く夏場に仕事を創出できた点である。というのも、職人の収入が安定すれば、後継者不足に歯止めがかかり、産地を守り育てることにつながるからだ。
 ステンレスに続き、チタンや銅、陶器と漆を組み合わせた商品開発にも取り組む打出社長。社業と産地の発展に向け、漆の新たな可能性にチャレンジし続けている。

企業情報

企業名 株式会社 ウチキ
創業・設立 創業 明治21年5月
事業内容 漆器の製造、販売 バイオマス合成樹脂材料の製造、販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.81より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.81


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