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ISICOではインターネットによる販路開拓をサポートしています。支援先の中から、熱い思いを胸にサイトの改善に挑む、意欲的な取り組みを紹介します。
[ 輪島塗製造販売の輪島漆器大雅堂株式会社 ]
輪島漆器大雅堂(たいがどう)は今年10月、ネットショップをリニューアルオープンした。同社の主力となる商材は数十万円の屠蘇器(とそき)、100万円以上する座卓や飾り棚である。「高級な商材にふさわしいネットショップに」という若島基京雄(きみお)社長の思いから、新装したページは、従来の赤や黒ではなく、漆器が映える白を基調に、上品で高級感あふれるイメージとなっている。
同社は昨年度、5人のホームページドクターが連携して支援するISICO の「集中指導による成功店育成事業」に採択され、改善に取り組んだ。新たなネットショップでもその際のアドバイスがしっかりと生かされている。
例えば、従来の商品写真はプロが撮影したものと自前で撮影したものが混在していたが、今回は専門のデザイナー兼カメラマンに委託。その結果、写真のクオリティが格段に向上し、統一感のある仕上がりになっている。
また、以前は商品の価格が長々とした説明文の後に表記されていたが、消費者が知りたい情報を確認しやすくするため、商品名や写真、価格、商品説明がスクロールしなくても一覧で見られるようにした。
クレジットカード決済の上限金額を30万円から300万円へと引き上げたことも改善点の一つだ。銀行振込などで支払う必要がなくなり、購入者の利便性がアップした。
リニューアルを記念した最大半額のセールも功を奏し、高額商品が売れるなど、順調な滑り出しを見せている。
同社がネットショップに力を入れる理由は、これまでメインの取引先だった百貨店への売り上げが次第に減っていることにある。また、秋から年末にかけては重箱や屠蘇器がまとまって売れる一方、他の季節は売り上げが減ってしまうため、ネットショップを活用して閑散期の売り上げを伸ばしたいとの考えもある。
リニューアル作業は現在も進行中で、今後はまだ紹介しきれていない商品の情報を順次追加し、輪島塗の専門店としてラインアップを充実させていく計画だ。若島社長は「定番品だけでなく、オリジナル品もどんどん企画したい」と意欲を燃やす。
作業を外部に委託したことで、繁忙期でも滞りなく更新できるようになったものの、デザイン性を重視するあまり、説明文が削られ、PR すべき点が紹介されていないケースもあった。今後は外部スタッフとのコミュニケーションをさらに密にし、より商品の良さが伝わるようなネットショップにしていく考えだ。
■ ホームページドクターからのメッセージ 古くからある同社のホームページには長年蓄積した膨大な情報ページがあり、これを運営者自らが改善するのは時間的にも製作スキルの面からも運営損失が大きいと判断しました。そこで今回はあえて古いページには手を付けず、新たなドメインによる販売ページの外注製作を提案しました。輪島塗は確固たるブランドを構築していますから、普通の「漆器」ではなく「輪島塗」を買いたいというお客様を迎えるための店構えとお客様の購入意欲に十分応えられる運営こそが売上拡大の鍵を握ります。今後は"輪島塗の信頼できる店舗"として、店舗イメージを築いていっていただきたいです。 |
企業名 | 輪島漆器大雅堂 株式会社 |
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創業・設立 | 創業 大正11年 |
事業内容 | 輪島塗の製造・販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.79より抜粋 |
添付ファイル | |
掲載号 | vol.79 |