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ISICOではインターネットによる販路開拓をサポートしています。支援先の中から、熱い思いを胸にサイトの改善に挑む、意欲的な取り組みを紹介します。
[ okomelove.com ]
たけもと農場は、農薬や化学肥料を使わないコシヒカリ、希少な国内産のリゾット専用米など、加賀平野に広がる45ヘクタールの水田で米づくりに情熱を傾けている。飲食店や流通業者とともに、重要な販路となっているのが、一般消費者だ。一般消費者への販売額は売り上げの1/3を占め、その70%以上はネットショップからの収益である。同社のネットショップには全国から注文が届いており、平成26年の新米は予約が殺到し、収穫前の9月上旬ですでに売り切れ商品が相次いだ。
ただ、同社のネット事業は最初から人気を集めていたわけではない。今でこそ年間2,000件近い受注が舞い込むようになったが、ネット販売を始めた平成19年の注文はわずか1件にとどまった。「最初は自力でサイトを制作した。ネットショップを開けば、それだけでお客さんが来ると思っていた」と、竹本彰吾(しょうご) 専務は当時を振り返り苦笑する。そんな現状を打ち破るため、平成21年にISICO のバーチャルモール「お店ばたけ」に出店するなど、ネット販売に力を注いだ。
ネットでの売り上げを押し上げる大きな力となったのが、平成22、23年に利用したISICOの専門家派遣制度だ。同社では、ホームページドクターのアドバイスを生かし、訪問者数や滞在時間などが分かる「グーグルアナリティクス」を設置したほか、クレジットカード決済の導入や、売り上げランキングの追加などを行い、平成23年にはデザインを一新した現在の「okomelove.com」を立ち上げた。
さまざまな改良を加えた中でも、最も効果が上がったのが、「年間予約システム」の追加だ。同社のネット販売では、予約すれば定期的に米を直送してもらうことができる。購入者はなくなるたびに注文する手間がなく、同社としては定期的な収入が見込まれ、売り上げの安定につながった。「 新商品として家庭で簡単にできるリゾットセットを開発中だ。もちろん、ページの充実にも取り組んでいく」。竹本専務はこう話し、現在、新規客の取り込みを目指してサイトのてこ入れを進めている。
■ ホームページドクターからのメッセージ ホームページのリニューアルに伴い、サイト内の導線や商品紹介の方法、今後の方向性についていくつかアドバイスさせていただきました。たけもと農場のように生産者が直接販売を行う際に一番大切にしていただきたいのは「誰に」伝えたいかを明確にすることです。価格を重視されるお客様、品質を重視されるお客様、生産地・生産者を重視するお客様、多様なお客様のニーズの中で生産者がどのお客様に対し納得いただける情報を提供できるかによって市場価値が大きく変動することを理解いただき、適切な情報発信で長期的なブランディングが構築されていくことを期待しています。 |
企業名 | 有限会社 たけもと農場 |
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創業・設立 | 設立 平成5年2月 |
事業内容 | 稲作、農作業請負など |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.78より抜粋 |
添付ファイル | |
掲載号 | vol.78 |