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【巻頭特集】北陸新幹線開業を販路開拓のチャンスに

印刷ページ表示 更新日:2014年12月5日更新

首都圏で石川の食や伝統工芸を売り込み

ISICOでは、来年3月の北陸新幹線金沢開業を前に、首都圏における県産品などの販路開拓に対する支援を充実させている。今回の巻頭特集では、10月26日から3日間、JR東京駅前の商業施設「KITTE(キッテ)」地下1階で開催された「石川のこだわり商品フェア」と、10月8日に東京・銀座にオープンした石川県の新しいアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」における取り組みを紹介する。

JR東京駅前で「石川のこだわり商品フェア」を開催

バイヤーとも個別に商談

石川のこだわり商品フェアの様子 「石川のこだわり商品フェア」は、県内中小企業がISICOなどの支援を受けて開発した新商品を県内外に売り込む事業であり、首都圏では昨年度、百貨店で開催したフェアに続き2回目となる。県内の18社が参加し、食品や伝統工芸・生活雑貨など各社自慢の新商品を首都圏の消費者やバイヤーにアピールした。
 JR東京駅の目の前という好立地もあり、期間中には約8,200人が来場。九谷焼の技術を生かしたUSBメモリや石川県産のブランドリンゴ「秋星(しゅうせい)」を使ったリンゴバターなど、工夫を凝らした商品に足を止め、販売員の説明に耳を傾けたり、気に入った商品を購入するなどの姿が多く見られた。

 千葉県から訪れたという女性は、「品質のいいものがそろっている。小さな九谷焼の器に入った針山を購入したい」と笑顔を見せた。別の女性からは「初めて見る商品がたくさんあり大変良かった。これからも続けてほしい」といった声もあり、担当部署は来年度もさらに充実した企画を検討したいと意気込んでいる。
 また、出店した各社は首都圏の百貨店やスーパー、専門店、通販会社のバイヤーと個別の商談に臨んだ。企業とバイヤーを橋渡しした、ISICOの荒木泰弘販路開拓アドバイザーは、「石川らしい商品が多いと評価が高かった。催事などがあれば声を掛けたいと話すバイヤーもいた」と今後の取引に向け、好感触を得ていた。

子ども向けの新商品に手応え

 出店した企業はどのような手応えを感じただろうか。「新たに企画、開発した子ども向けの漆器に対する反応を知りたかった」と話すのは、漆工房大島((株)大島東太郎商店/加賀市)の大島太郎さんだ。
 同社が店頭に並べた商品のひとつが、その名の通り桜の木で作った「桜椀」。子どもの手に合うように小ぶりに作られた椀の内底には小さな桜の絵が描かれており、頑張って残さず食事をした子どもへの「よくできました」の印になっているという仕掛けだ。
漆工房大島の大島太郎さん また、帽子がついたどんぐりのような蓋つきの器、「どんぶり子」も披露した。下の椀は、子どもが持てるように軽い木を用い、蓋にあたる椀は、離乳食をすりつぶしやすいように内側に溝が入っていて、親子一緒に食事を楽しめる器である。なお、この器には「どんぐりのように、子どもが親の手を離れ自立できるように」というメッセージが込められており、誕生祝いの贈り物にも最適だ。
 さまざまな工夫が施された商品に来場者からは「かわいい」と声が上がり、大島さんも今後の販売に手応えを感じた様子。「縮小傾向にある食器売り場だけではなく、子ども用品など他の売り場で展開したい」と意欲を見せる。

目にとまるようパッケージを工夫

丸山宜伸社長 一方、(有)加賀かきもち丸山(小松市)では、北陸新幹線で石川を訪れた観光客の土産用として開発した新商品「雪餅」を販売した。雪餅は、白山市鶴来町で特別栽培された餅米と白山の伏流水を原料とした杵つき餅を伝統の寒仕込み製法でゆっくりと熟成、乾燥させた後、香ばしく焼き上げたかきもちだ。
 ただ、かきもちは、首都圏では、北陸ほど馴染みのある食品ではないことから、今回は、かきもちを知ってもらうことに力点を置いた。また、パッケージに食品用ではあまり使われない青色を使用するなど消費者の関心を引くような工夫も凝らした。結果は上々で、多くの消費者が興味を示してくれたという。
 なお、この雪餅は、県内で少量しか作れないため、首都圏での大々的な販売はできない。しかし、商品には自信を持っており、丸山宜伸社長は「雪餅を食べに石川に来てほしい」と語る。北陸新幹線開業までに、新たに能登の食材を使った商品の開発を行うなど、首都圏観光客の取り込みに意欲は満々だ。

石川県アンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」東京・銀座でオープン

販路開拓のため、連携強化へ

 北陸新幹線開業を間近に控える中、食や伝統工芸品など石川の魅力を首都圏にアピールするために、県の新しいアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」がオープンした。銀座の外堀通りに面したビルの地下1階から地上2階で、延べ床面積は334平方メートル。県産の生鮮品や加工食品、地酒、和菓子、伝統工芸品など、約1,900点の商品がそろう。石川の味覚を輪島塗や九谷焼の器で楽しめるカフェ、イートインコーナーのほか、観光案内などのコーナーもある。
 大塚義明店長によれば、年配の女性を中心に、若い女性やビジネスマンなども多く来店し、開店から1カ月で3万3,000人を突破した。とり野菜みそやかぶらずしなどの食品や和菓子のほか、九谷焼のぐい呑みや箸置きなどが売れ筋だ。大塚店長は「作り手の思いをお客様に伝え、実際に石川へ行ってみたいなと思わせるような接客をしたい」と話す。

いしかわ百万石物語・江戸本店店内

また、この江戸本店には、ISICO販路開拓アドバイザーが常駐し、県内企業の販路開拓に対する支援を行っている。
 今後もこだわり商品フェアのほか、百貨店などとのビジネスマッチングなど、江戸本店とも連携しながら、県内企業の首都圏での販路開拓を後押しする計画だ。

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ISICO販路開拓アドバイザー 荒木泰弘

SICO販路開拓アドバイザー 荒木泰弘

東京で活動を開始してから1年4カ月がたち、徐々に石川県内の作り手と首都圏の売り手のマッチング事例も増えてきました。作り手と売り手を結ぶため、これからも作り手、売り手とのコネクションの拡大に力を入れていきます。また、「いしかわ百万石物語・江戸本店」とも連携し、首都圏における支援機能を強化してまいります。

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いしかわ百万石物語・江戸本店 大塚義明店長

いしかわ百万石物語・江戸本店 大塚義明店長

持ち運びや贈答に便利なことから、常温で保存できる商品が好まれています。また、お客様は他の商品との違いや製造プロセスに高い関心を持っています。商品を見ただけ、食べただけでは伝わらない、素材へのこだわりや製造時の工夫などについては、パンフレット等を準備して、より商品の魅力が伝わりやすくなるよう努力したいと思います。

 

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

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備考 情報誌「ISICO」vol.78より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.78


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