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県内の企業、団体が行っている話題性のある取り組み、ユニークな活動に注目しました。
ウェブサービスの開発を行っているピアズ・マネジメントでは、平成26年1月から「Your Days on Lifebook」(以下、Lifebook)というサービスを開始し、その発想の面白さがインターネットなどのメディアで話題となっている。
これは、フェイスブックを利用している本人や友達登録している友人がフェイスブックに投稿した写真やコメントのデータを自動的に抽出、レイアウトし、一冊の本として印刷するサービスで、約2週間で手元に届く。写真だけを集めた本を製作することも可能となっている。サイズはA4変形判(28ページ2,480円~)と、女性がバッグに入れて持ち歩くことを想定したA5判(28ページ2,980円~)の2つを選べる。
このアイデアは、取締役を務める筏井(いかだい)哲治さんの気づきから生まれた。平成20年からフェイスブックを利用している筏井さんは、ある時、1年前に投稿した内容を見返したいと思ったが、以前に投稿した内容を見るには、最新の投稿からさかのぼっていくしか方法がなく、非常に不便に感じたという。その後、「フェイスブックはプライベートな日常を投稿する人が多く、日記的な側面がある。自分と同じように大切な思い出を見返したいという需要があるはず」と考え、平成24年からサービスのコンセプト作りや設計をスタート。プログラミングは、人件費が安いインドにアウトソーシングし、開発コストを抑えた。
Lifebookはサービス開始から半年で、約600人のユーザーが利用しており、現在は子どもの成長記録を残したいと考える子育て中の主婦層に人気があるという。筏井さんは「現在の利用者数はそれほど多くはないが、次の事業の展開に必要なプロセスだととらえている」と語り、今秋には、この事業をさらに発展させた「ハピログ」という会員制サービスを開始する。
ハピログは、フェイスブックのデータの中から期間を区切って何冊でも無料でデジタルブック化できるとともに、有料で印刷することもできる。
ユーザーが本を販売できる点も特徴の一つだ。例えば、京都を旅行した部分だけを抜き出してデジタルブックとして公開すれば、旅行のガイドブックとして売ることも可能だ。また、カメラマンが写真集を出したり、主婦が料理のレシピ本を販売したりすることが簡単にできるようになり、ハピログがさまざまな人々が気軽に出版できる環境を生むプラットフォームの役割を果たすことになる。
代表を務める中林秀仁さんは「フェイスブックのユーザーは、日本では2,200万人だが、世界では12億人を超える。世界の市場を取り込むため、ハピログは日本語版に先駆けて英語版を公開する。このサービスを経営の軸に、3年後には上場を目指したい」と意気込む。
企業名 | ピアズ・マネジメント 株式会社 |
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創業・設立 | 設立 平成21年7月 |
事業内容 | ウェブサービスの開発 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.77より抜粋 |
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掲載号 | vol.77 |