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異業種、異分野の技術融合で複合材料の活用技術確立へ

印刷ページ表示 更新日:2014年11月7日更新

トライアングル

県内では、産学官の連携によってニュービジネス創造を目指す動きが本格化しています。
ここでは、その実例に迫ります。

加工、分析用の装置がずらり

革新複合材料研究開発センターの外観複合材料の成形や材料試験評価を行うエリア研究者や技術者の交流スペース

 革新複合材料研究開発センター(ICC)は、炭素繊維と植物由来の樹脂などを使った新たな複合材料を産学官連携で研究、開発する施設である。金沢工業大学が文部科学省の支援を受けて整備し、今年6月に開所した。 白山市内にある金沢工大やつかほリサーチキャンパスに竣工した建物は3階建てで、延べ床面積は4,455平方メートル。1階にはダブルベルトプレス機、300トンプレス機といった大型装置をはじめ、複合材料の成形加工や組み立て、強度試験に必要な設備がそろう。また、2階、3階は日本最高の分解能を誇る顕微X線CTや各種の材料分析を担うエリアと、植物由来の樹脂などについて研究するための化学バイオ実験室を有している。

企業、研究機関が一つ屋根の下で研究

 「世界の炭素繊維の約7割を日本メーカーが作っているが、炭素繊維を活用したものづくりは欧米に遅れをとっている。最終的な使い道を見すえた上で、材料を使いこなすための技術を開発し、普及することが必要だ」。ICCの使命についてそう話すのは、 鵜澤潔(うざわきよし)所長である。
 そのためにICCは異業種、異分野の企業との共同研究に取り組んでおり、既に大手の素材メーカー、機械メーカー等との連携がスタートしている。
 また、ICCは文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」において実施する「革新材料による次世代インフラシステムの構築」の中心拠点の役割も果たす。このプログラムは、平成33年度までの9年間で約80億円の産学連携による革新的なイノベーションを後押しする取り組みで、金沢工大を含めた26団体・企業が、炭素繊維複合材料を道路・トンネル、橋梁、高層建築、住宅、洋上風力発電施設といった大型インフラ用構造材として利用するための技術開発に取り組んでいる。
 特徴的なのは、ICCが多くの企業や研究機関の研究者、技術者を受け入れ、一つ屋根の下で研究開発を進める点にある。複合材料は歴史が浅く、川上から川中、川下まで、つまり素材開発、加工、商品づくりを手がける企業が、それぞれ専門の知識やノウハウを持ちより、技術を融合させる必要がある。そのため研究スペースは間仕切りを最小限とし、研究者や技術者がコミュニケーションをとりやすいオープンな開発環境を実現している。
鵜澤潔所長 このほか、来春からは複合材料に関する知識や製造、分析に関する技術を学ぶことのできる社会人向けの専門教育もスタートさせる計画だ。
 なお、ICCの整備およびCOI STREAM に関する文科省の提案にあたっては、石川県とISICOも参画した。これらの計画は、県内の大学や企業などが連携して炭素繊維製品の一貫生産を目指す「いしかわ炭素繊維クラスター」の活動がベースとなった。鉄よりも軽く、強度が高いうえ、錆びないという特性を持つ複合材料の用途拡大と新ビジネス創出へ。石川発の素材革命に注目が集まる。

企業情報

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備考 情報誌「ISICO」vol.77より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.77


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