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「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の採択企業、各種展示会の出展企業の商品等にスポットを当てます。
九谷焼に使われる陶芸用粘土を製造する谷口製土所は、オリジナルの陶磁器ブランド「HANASAKA roots of kutani(はなさか ルーツ オブ くたに)」を立ち上げ、その第一弾として昨年9月に「BUTTERFLY MUG(バタフライ マグ)」を発売した。真っ白な生地に色鮮やかなバタフライが描かれており、持ち手に指を通してマグカップを口に近づけて傾けると、まるでバタフライが指に止まっているように見えるというユニークな商品だ。
「私は粘土屋ですから、粘土を生かしたものづくりを大事にしたいと思っています」。プロダクトディレクターを務める同社の谷口浩一さんのその言葉通り、生地にもこだわっていて、指にバタフライが止まってみえるという企画性が伝わりやすいよう、白く透明度の高い粘土を使用。また、バタフライの美しさをイメージしたフォルムは職人が一点一点、薄くて滑らかなものに仕上げている。
ブランド名は、九谷焼の生地の材料となる花坂陶石に由来する。また、人の心に花を咲かせたいとの思いが込められ、谷口さんは「使う人や周りの人がワクワクして、楽しい気分になってほしい」と話す。
谷口さんが自社ブランドの立ち上げに乗り出したのは、九谷焼の将来に危機感を覚えたことがきっかけだ。「業界では若手の人材が不足しています。九谷焼はクリエイティブで面白いということを発信し、一緒に働く若い人を増やしたい」。そう考えた谷口さんは活性化ファンド事業の支援を受け、今までと違う現代風のデザインで、若者にアピールしようとBUTTERFLY MUGを開発し、昨年9月にはギフトショーにも出展した。
ギフトショーでの評判は上々で手応えを感じていたが、バイヤーからは商品を売り出すためにラインナップをもっと増やしてほしいとの要望が相次いだ。そこで、この1年は販路開拓を見合わせ、商品開発に注力した。
そして、BUTTERFLY MUGの関連商品として開発したのが「 BUTTERFLY TEA(バタフライ ティー)」だ。これは、タグ(持ち手)がバタフライの形になっており、紅茶を抽出する際、タグをカップのフチにかけておけば、まるでバタフライがカップにとまっているように見えるティーバッグだ。茶葉は、谷口さんのおじが東京で営む紅茶専門店のものを使用している。
さらに、HANASAKAブランドの第二弾として、正方形や丸形のプレートに小鉢を組み合わせて使う食器の商品化に取り組んでいる。器はすべて真っ白で、絵を描くように料理を盛り付けて楽しんでほしいとの思いから「CANVAS(キャンバス)」と名付けた。これらの新商品は今年9月のギフトショーでお披露目し、BUTTERFLY MUGとともに販路開拓を本格化させる。
谷口さんは今後も、「開発に時間がかかっても、コンセプトを大事にした商品を作り続ける」と話し、雑貨のセレクトショップを中心に販路を広げ、ブランドを確立させる考えだ。
谷口製土所が利用したISICOの支援メニューは
「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」です。
(お問い合わせ)
地域振興部 地域産業支援課
TEL. 076-267-5551
企業名 | 谷口製土所 |
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創業・設立 | 創業 昭和26年12月 |
事業内容 | 陶芸用粘土の製造、販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.77より抜粋 |
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掲載号 | vol.77 |