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小さなビーズで痛みをケア 医療機器産業への参入目指す

印刷ページ表示 更新日:2014年7月23日更新

目指せ!石川発の人気商品
ヒットのタマゴ 

「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の採択企業、各種展示会の出展企業の商品等にスポットを当てます。

触覚への刺激が痛覚信号を不鮮明に

「つぶつぶセラピー」。販売中の色は黒だけで、赤や黄は試作品。鎮痛効果を発揮するガラスビーズは直径1.5ミリ。 「ひざや腰、手首が痛むんだけど、湿布薬や鎮痛剤では満足できなくて…」。そんな悩みを抱える人のために万喜が開発したのが、鎮痛効果のあるゴム入り織物「つぶつぶセラピー」である。例えば、手首用ならば幅7センチ、長さ28センチの帯状の商品を、痛みを感じる部分にぐるりと巻き付ける。「これだけで、次第に痛みが緩和される。」そう笑顔を見せるのは小泉万喜男(まきお)社長だ。
 秘密は織物にびっしり並べられた直径1.5ミリのガラスビーズにある。この小さな粒々が触覚を刺激すると、触圧覚信号が脳へと送られる。触圧覚信号と痛みを感じる痛覚信号がぶつかることによって、“ノイズ効果”が発生し、痛覚信号が不鮮明になる。その結果、痛みが和らぐというわけだ。
 昨年10月から、ひざ用、腰用、首・肩用、ひじ用、手首用、足首用、指用の全7種類をネット通販大手「楽天市場」に開設したオンラインショップで販売している。知名度はまだまだだが半年で900本を売り上げ、好調な滑り出しを見せている。

貼るタイプを新開発 200社と商談

 この商品はそもそも、アイデアを考案した大分県の数学塾講師で日本看護技術学会のメンバーである佐知亨さんと、岡山大学大学院保健学研究科の深井喜代子教授との共同研究がベースとなっている。深井教授を中心に、試作品を使って臨床研究を行った段階では、日本看護技術学会で大会賞を受賞したり、新たな鎮痛剤研究として文部科学省科学研究補助金に採択されたりするなど、高い評価を得た。その後、商品化を進めるにあたり、深井教授らがパートナーとなる企業を探していたところ、小泉社長と知り合い、平成23年に商品開発がスタートした。
小泉万喜男社長(写真右)と販売担当の小泉円主任 とはいえ、商品化は一筋縄ではいかなかった。最も苦労したのはビーズの接着である。下着などに使われるゴム入り細幅織物を製造する同社にとって、体にフィットして、着け心地に優れた布地を作ることはお手の物だ。しかし、布地が伸縮する分、ビーズの接着は難しさを増し、3年間の試行錯誤の末、ようやく商品化にたどり着いた。
 現在は、購入者や臨床研究参加者の声を参考に、湿布薬のように貼るタイプの商品を開発中である。今年3月に東京ビッグサイトで開かれた健康博覧会に試作品を出品したところ、3日間で200社を超える企業から関心が寄せられ、小泉社長は大きな手ごたえを感じている。
 痛みが緩和されることで、心身の緊張が解け、体も動かしやすくなることから自然治癒力が高まり、治療にも有効性が確認されている。小泉社長は「貼るタイプの商品は、効能がしっかりと明記できる医療機器として販売したい」と話し、年内をめどに製造業許可を取得すると同時に、専門の販売会社との連携体制を構築する考えだ。

万喜が利用したISICOの支援メニューは
いしかわ産業化資源活用推進ファンド」です。
(お問い合わせ)
地域振興部 地域産業支援課
TEL. 076-267-5551

企業情報

企業名 株式会社 万喜
創業・設立 創業 昭和23年8月
事業内容 細幅織物の製造

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備考 情報誌「ISICO」vol.76より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.76


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