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「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の採択企業、各種展示会の出展企業の商品等にスポットを当てます。
汗ばむ季節にぴったりの冷やしておいしい和菓子がお目見えした。それが、御朱印が発売した「冷やし餅【とまと】」である。ふっくら柔らかな餅の中に入っているのは、小松産トマトで作ったジュレ。女性でも一口で食べられる大きさで、トマトの甘みとほんのりとした酸味が口いっぱいに広がる。餅やジュレは冷やしても固くならないように材料の配合を工夫してあり、暑い時期は冷やして食べるとひんやりとした食感が楽しめて一層おいしさが増す。
昨年10月から小松市内の本店のほか、めいてつ・エムザ店、道の駅「こまつ木場潟」などで販売したところ、冬場にもかかわらず好調な売れ行きを見せたという。6月以降はこれらに加え、全国各地で開かれる百貨店の催事でも販売する予定で、半田雅彦社長は「夏の看板商品にしたい」と期待を膨らませている
トマトを使った和菓子とは何とも珍しいが、商品開発のきっかけは、小松商工会議所からイベント用に地元の食材を使ったデザートを作ってほしいと依頼されたことだった。小松市は北陸一の収穫量を誇るトマトの産地である。そこで、半田社長はトマトピューレを使って、冷やし餅の原形となる商品を開発した。その後、普段から取引のあった百貨店のバイヤーに依頼され、その商品を同店のトマトフェアで販売したところ、トマトと和菓子という意外な組み合わせが受けて予定数を完売。これに手ごたえを感じて、定番化に乗り出した。
もっとも、当初は常温で食べてもらう商品だった。冷やしておいしい和菓子にしたのは、売り上げが大きく落ち込む夏場に好まれる商品にしたいとの思いだった。御朱印の看板商品と言えば、黄身餡(あん)を包んだまんじゅうをチョコレートでコーティングした和菓子、その名も「御朱印」である。しかし、夏はチョコが溶けやすいため、敬遠されがちだ。そこで、同社では溶けにくいチョコを使ったり、レモン味を夏限定で販売したりするなど、対策に力を入れており、新たな一手として打ち出したのが冷やし餅というわけだ。
「開発に踏み切れたのは活性化ファンドに採択されたおかげ」。そう話すのは半田社長である。定番商品にするには、専用パッケージの作成や機械の改良など出費がかさむことから、同ファンドの助成事業が大きな助けとなったのである。
同社では今後、他の県産素材を使った商品を開発し、冷やし餅のラインアップを増やす計画で、専用のネットショップを設けるなど、「御朱印」と並ぶ新たなブランドの確立に力を注ぐ。
御朱印が利用したISICOの支援メニューは
「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」です。
(お問い合わせ)
地域振興部 地域産業支援課
TEL. 076-267-5551
企業名 | 株式会社 御朱印 |
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創業・設立 | 創業 昭和23年8月 |
事業内容 | 和菓子の製造、販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.76より抜粋 |
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掲載号 | vol.76 |