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ISICOでは、企業の成長をサポートするためさまざまな支援制度を用意しています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。
フランス菓子を製造、販売するローザンヌは昨年11月、金沢市直江町に店舗を新築、移転した。新店舗は、旧店舗から500mほど離れた金沢外環状道路海側幹線(海側環状)沿いに位置する。イートインスペースと工場を併設した建物はタイル貼りでモダンなたたずまい。ガラス窓が大きく取られ、天気が良ければ店内から立山連峰や白山連峰を見渡せる開放的な雰囲気が自慢だ。
新築移転に合わせて、オーブンなどの設備も一部を除いて一新した。色とりどりのケーキが並ぶ2台の冷蔵ショーケースの導入には、ISICOの設備貸与制度を活用。シンプルで上品な店舗の内装にマッチするよう、台座は木製のものを特注した。
「商品だけでなく、施設やサービスも充実していなければ、お客様を満足させることはできない」。そう話すのはオーナーパティシエの渡辺利陽(としはる)代表だ。生クリームやバターなど、材料はどれも最上級にこだわり、品質には自信を持っていたが、旧店舗は建設から40年以上が経過して老朽化が進み、「時代にそぐわないものになっていた」(渡辺代表)。そこで、海側環状の開通を契機に、新築移転を決めた。
開店以降、新店舗には古くからの常連客はもちろん、初めて訪れる客が増え、連日、製造が追いつかないほどの盛況となっている。渡辺代表は「来店客の年齢層もぐっと若返った」と笑顔を見せる。
ローザンヌは渡辺代表の父が昭和22年に創業し、洋菓子の製造、卸業を手がけたのが始まりだ。昭和47年には、渡辺代表が都内の洋菓子店での修業を終えて帰郷したのを機に直江町に店を構え、小売りをスタートさせた。洋菓子のバリエーションが少なかった時代に、エクレールなど珍しいフランス菓子を提供し、瞬く間に人気店となった。
しかし、業界全体のレベルが上がり、競合店が増えてくると、旧店舗の過剰な設備は次第に経営を圧迫した。そこで、新店舗では設備のダウンサイジングを進め、利益を出しやすい体質づくりに力を注いだ。
とはいえ、渡辺代表は「うちは企業じゃなくて家業。規模や売り上げでなく、おいしいお菓子を作ることが使命であり、もうけよりも品質、信頼を重視し、誠実にお菓子を作りたい」と話し、日本であまり知られていないような古典的なフランス菓子に挑戦するなど、今日も口にした人を笑顔にするようなお菓子作りに励んでいる。
企業名 | ローザンヌ |
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創業・設立 | 創業 昭和22年 |
事業内容 | フランス菓子の製造、販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.74より抜粋 |
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掲載号 | vol.74 |