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ISICOではインターネットによる販路開拓をサポートしています。支援先の中から、熱い思いを胸にサイトの改善に挑む、意欲的な取り組みを紹介します。
[ 林さんちWeb通販 ]
野々市市にある約40haの農地で米や大豆などの生産に取り組む林農産。丹精して育てた自慢の作物や、それらを使った餅、味噌といった加工品を扱うネットショップ「林さんちWeb通販」に力を注いでいる。
「かつての日本人も孫の代まで考えて暮らしていた。私たちも200年後に思いを馳せた農業を実践していく。しかも、楽しく取り組みたい」。林浩陽(こうよう)社長はこう話し、サイトには環境に配慮して育てたさまざまな商品をラインアップする。“23世紀型お笑い系百姓”をモットーに掲げるだけあって、その一つ一つのネーミングは実にユニークだ。雑草の発生を抑えるために水田に紙を敷き無農薬栽培した「超普通じゃないコシヒカリ」、無農薬・無肥料と自然の力だけで育てた「宇宙米」などが並ぶ。
サイトを開設した平成9年から17年間、毎日欠かさず更新してきた林社長のブログも人気だ。農作業の様子や農業に対する思いを、ユーモアを交えて紹介している。ほかにも、毎週発行するメールマガジンや社長が講師役を務める「世界一分かりやすい食育授業」など、読み応えは十分。生産者の人柄まで分かり、楽しく買い物できるサイト作りで、売り上げを伸ばしている。
サイトを通じた年間売り上げは1,500万円を超え、今でこそ経営の大黒柱となっているが、開設当初の販売実績は年間50万円ほどにすぎなかった。売り上げを30倍に押し上げる上で転機となったのは、ISICOが平成13年にオープンしたバーチャルモール「お店ばたけ」に、第1期出店者として参加したことだ。「それを機に、ネット販売に力を入れる仲間から刺激を受けたり、ISICOの専門家派遣制度を利用したりしている。近年では、夏場の在庫切れ対策として顧客分析・アンケートを実施し、在庫管理を強化した。その結果、リピート率は80%を超えるまでになった」と、林社長は振り返る。
今後はスマートフォンやタブレット型端末に対応したサイト構築も視野に入れており、同社では環境と情報の両面で時代のニーズに応え、一層の販売力強化を目指している。
■ ホームページドクターからのメッセージ 林農産は平成4年の農林水産祭で天皇杯を受賞しており、農業界では全国的に知名度が高い農業生産法人です。しかし、「上から目線」ではなく、生活者と同じ親しみやすい「横から目線」での情報発信しているところが林社長のすごいところ。“23世紀型お笑い系百姓”を自称するのは、技術も商品も本物だからこそ可能なブランド戦略ともいえます。ウェブではこのユニークなキャラを自然体で伝える工夫が盛りだくさんで注目です。 |
企業名 | 株式会社 林農産 |
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創業・設立 | 設立 昭和63年4月 |
事業内容 | 稲作、農作業請負、餅・味噌の加工・販売など |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.74より抜粋 |
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掲載号 | vol.74 |