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【記念講演】規制緩和の本格化が賃金上昇につながる

印刷ページ表示 更新日:2014年2月24日更新

記念講演

テーマ/「日本経済の展望と課題」
講 師/武藤敏郎氏 (株)大和総研理事長

石川らしく文化性を表現

テープカット 昭和57年6月に石川県商工労働部長として着任し、同年12月に総務部長になり、昭和59年までお世話になりました。
 県地場産業振興センターの建設は私にとっても忘れられない事業です。当時、建設予定地の周りは田んぼで、こんな所で大丈夫なのかなと心配したことを覚えています。同センターは県経済振興のシンボルであり、それにふさわしい特徴をと考えて作ったのが、本館外壁に飾られているアルミダイキャスト製レリーフです。産業振興の中にも石川らしく文化性を表現しました。
 こんな立派な施設になるとは思いませんでしたし、今でも高い稼働率を誇っていると聞いてうれしく思っています。

経済回復へ三つの課題

 日本経済のこの1年を振り返ると、アベノミクスの第一と第二の矢、つまり財政出動と金融緩和にマーケットは好感を持ち、株価は年初から50%アップしました。為替レートは円安になり、輸出企業で好決算が相次ぎました。まだ実体経済への波及を実感していない人も多いでしょうが、平成26年は経済回復が実感できる年になると思います。
 大和総研では、今年度の実質経済成長率はプラス2.5%、来年度はプラス1.0%と試算しています。4月の消費税増税による駆け込み需要とその反動減によって、経済活動に影響はありますが、年間で見れば、ゆるやかな成長が続くと見ています。
 ただし、課題もあります。一つ目は賃金が上がらず消費が増えていないことです。二つ目は今後の設備投資です。生産は順調に持ち直していますが、設備投資はそれほど増えていません。三つ目は物価です。少しずつ上がってはいますが、円安で輸入品が値上がりすることによる物価上昇は中小企業にとっては望ましくありません。
 一つ目の課題である賃金の上がらない要因として、非製造業、特に医療・福祉分野で非正規雇用の割合が多くなっていることが挙げられます。ただし、この分野では生産性が上がっていないため、賃上げは難しいでしょう。生産性を上げ、賃金を上げるには第三の矢、つまり規制緩和を本格化させる必要があります。例えば、特別養護老人ホームに株式会社の参入を認めることもその一つです。

自助が求められる社会に

本館外壁に飾られたレリーフ ところで、長期的な視点で見ると、我が国は今後50年で人口が8,600万人に減り、高齢者人口比率も40%へと上昇します。この時、サービス水準を今と同様に維持するには、税の負担と社会保険料の負担を合わせた国民負担率を現在の39%から70%へと増やさなければいけません。これはありえない水準であり、年金受給開始を遅らせる、医療費の受益者負担を上げるなど、現在のサービス水準を20%弱下げる必要があります。この場合、国民負担率はフランス並みの50%台後半です。
 つまり、何でも国に依存する社会は考えもので、最低限の社会保障はもちろん必要ですが、それ以上は自助努力が求められます。公助、共助、自助をうまくミックスして、日本にふさわしい社会をつくることが必要です。
 日本の社会がさらに高齢化しても、活力にあふれ、一人当たりの国民所得が世界に冠たるレベルにとどまるためには、相当なイノベーションと徹底した規制緩和によって、自助努力を促す社会にしていくしかないのです

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

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備考 情報誌「ISICO」vol.74より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.74


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