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ISICO は10月23日、県地場産業振興センターで「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」を開催した。将来有望な起業家を発掘するコンテストは今年で7回目を迎え、過去最多となる53人の応募者の中から書類審査を勝ち抜いた7人が事業計画を発表し、アイ・オー・データ機器の細野昭雄社長をはじめ起業家や経営コンサルタント、金融機関の担当者らが審査した。今回の巻頭特集では、今後、ISICOが集中的に支援する最優秀起業家賞1人、優秀起業家賞3人の提案内容について紹介しよう。
山口綾乃さんが発表したのは、「日本とベトナムの食文化交流」の総合プロデュース事業である。約1年前からベトナム産の良質な豆を使った「ダラットコーヒー」を商品化し、ホテルや飲食店、個人客に販売してきた。今後は、コーヒー販売で構築した流通ルートを活用して、県内で栽培したベトナムの伝統野菜、香辛料や調味料といった輸入食材の販売に乗り出す計画だ。
既にJAはくいと連携し、ベトナム料理に欠かせない香草で、日本でも人気が高まっているパクチーの試験栽培がスタートしており、来年度からブランド化し、販売開始を予定する。ゆくゆくは日本の食材などをベトナムに輸出する考えで、山口さんはこうした取り組みを通して、「日本とベトナムの友好を図り、両国の生産者、販売者、消費者がすべてハッピーになる世界を作っていきたい」と目を輝かせる。
介護される人が車いすからベッドなどに乗り移る動作のことを移乗という。この移乗をサポートする際、介護者は無理な姿勢を強いられ、腰を痛めてしまうことも少なくない。これを解決しようと岩島光太郎さんが考案したのが、車いすに取り付けるアタッチメントである。
このアタッチメントは、座面が前方にスライドし、さらに横へと伸びる仕組みとなっており、介護者の手を借りなくても自力での移乗が可能となる。スライドした座面は支柱で支え、車いすの転倒を防ぐ。既に特許を申請済みで、来年3月に創業を予定する。まずは必要となる技術を持つ県内の機械メーカー等と連携し、試作に取り掛かる計画で、軽くて丈夫な炭素繊維複合材の利用も視野に入れている。「すべての車いすをアタッチメント付きにして、車いす利用者や介護者を幸せにしたい」。岩島さんは並々ならぬ意欲を燃やしている。
室田健一郎さんは、回転しないスプーン型ルアー(擬似針)を製造、販売する事業計画を披露した。その名の通り、スプーンのような形状のルアーは161年前に登場したが、波や流れを受けて、回転してしまうのが欠点だ。ルアーが回転すると、釣り糸がリールにからみつくため、水面の穏やかな池などでしか使えない。そこで室田さんは形状に工夫を凝らし、このルアー特有の回転を抑え込むことに成功した。
新型ルアーは、湖や池はもちろん、流れの速い川や波がある海でも使用できる上、これ一つでさまざまな魚を釣り上げることが可能だ。扱いが簡単なので、初心者でもルアー釣りを楽しめる。
「100年売れるルアー、100年後も残るメード・イン・ジャパンを目指す」と意気込む室田さん。国内市場だけでなく、5億人の釣り人口がいるとも言われる世界市場を見据えている。
(株)CirKit 代表取締役
山岸芳夫(中央)
写真左:林 謙吾 / 右:高田 翔太
[ 発表テーマ ]
デジタルサイネージを用いた商店間の顧客誘導と住民のコミュニケーションの活性化
IT企画(株) 代表取締役
木谷秀昭
[ 発表テーマ ]
在宅医療介護のチーム連携を支援するSNSシステムの展開
(株)ウインツ代表取締役
木屋博登
[ 発表テーマ ]
子育て世代を総合的にサポートする地域密着型子育て支援サイト事業「ママミル」
企業名 | - |
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創業・設立 | 設立 |
事業内容 | - |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.73より抜粋 |
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掲載号 | vol.73 |