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ISICOでは、企業の成長をサポートするためさまざまな支援制度を用意しています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。
膝や腰に負担がかからず、歩きやすい靴を独自に開発、販売する「のさか」は在庫管理システムを一新し、今年5月から運用を開始した。
新システムでは、商品が品番だけでなく、写真付きで分かりやすくリスト化されており、目的の商品を選べば、色、サイズ、店舗ごとの在庫が一目で分かるようになっている。そのため、顧客の求めている靴の在庫状況を調べたり、売れ行きに応じて店舗間で在庫を移動させたりすることがよりスムーズになった。
このシステムは発注にも役立っている。野坂哲也社長によれば、「これまではカンピュータを頼りにするしかなかった」そうだが、現在は各店の販売状況が翌日にはシステムに反映されるため、しっかりと売れ筋を見極めた上で、的確に発注できるようになったという。
このシステムは現在、直営する5店に加え、資本関係はないが、のさかの商品だけを販売するパートナーショップ2店が導入している。
同社では従来、市販の在庫管理ソフトや紙の帳票を利用していたが、写真が表示されず目当ての商品が探しづらい、店舗ごとの在庫状況を共有できないなど、使いにくいものだった。そこで、直営店やパートナーショップの増加に伴って、改善の必要を感じた野坂社長がISICOに相談。ISICOの専門家派遣制度を活用し、ITコーディネーターの助言を受けながら約1年をかけて新システムを構築した。
当初、野坂社長は大手量販店が利用しているソフトを導入すれば、事足りると考えていた。しかし、ITコーディネーターと意見を交わす中から「単にIT化するだけでなく、それを使って日々の業務をいかに効率化するかが大事」「既成のソフトは安価だが、使いやすいかどうかは分からない」といった話を聞き、システム会社に自分たちにとって使い勝手のいいシステムをオーダーメードすることにした。
野坂社長をはじめ、社員にもITに精通した人材がいなかったので、開発過程では、例えば紙で作ったパーツをテーブル上で並べ替えながら、画面上のレイアウトを検討するなど、分かりやすい手法で細かな仕様を決めていった。
その結果、専門知識がなくても使いこなせるシステムに仕上がり、野坂社長は「導入したばかりなのに、すでになくてはならないシステムになっている」と笑顔を見せる。
とはいえ、野坂社長は「これで完成とは思っていない」と話し、今後も見直しを続け、さらに進化させていく方針だ。現在は、顧客の足の情報を記載したカルテを紙ではなく、デジタルデータで保管する顧客管理システムも開発しており、IT化によって、さらに業務効率の向上を目指している。
企業名 | 有限会社 のさか |
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創業・設立 | 創業 昭和32年1月 |
事業内容 | 靴の販売、修理 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.72より抜粋 |
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掲載号 | vol.72 |