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ニーズや実情に合わせて、企業の成長を多角的にサポートするISICOでは、石川県の産業を元気にするため、産学官連携による技術開発や商品化・事業化、受注・販路開拓などへの支援に取り組んでいます。開設15年目を迎えた今年度は、景気の回復基調をより力強いものにするため、さまざまな支援メニューの拡充を図りました。ISICOの支援策の成果や新たな取り組みについて、当財団の理事長である谷本正憲知事に聞きました。
この施設では、これまでの3倍となる3,000台のサーバーを仮想社会に見立てて、サイバー攻撃に使われるウイルスの感染を防御する技術を開発する。NICTが平成14年度以降、サイエンスパークで研究開発を実施しており、既に1,000台のサーバーを有する実証実験施設が稼働していること、情報分野の優秀な人材を抱える北陸先端科学技術大学院大学が隣接すること、それに他地域に比べて安価な電気料金が立地の決め手になった。新たに整備される施設は企業や大学にも開放されるので、どんどん共同研究に取り組んで、新たな技術開発に役立ててほしい。ISICOはコーディネーター役として、県内の企業や大学に共同研究への参画を促す役割を果たしていきたい。
専門家が企業の省エネ診断を行い、アドバイスする省エネ版企業ドックは昨年度、実施件数が当初予定していた2倍以上と好評であり、今年度は受入枠を120件に拡充する。昨今のエネルギー事情を考慮すれば、今後、エネルギーコストが上昇することは間違いなく、今のうちに対応策を講じて、企業の競争力の維持、向上につなげてほしい。
また、ISICO のある地場産業振興ゾーンでは再生可能エネルギーを利用した機器や省エネ機器等を導入し、「エネルギースマートゾーン」として整備した。企業の皆さんには、これらの設備の効果を実感していただくと同時に、ゾーンの取り組みを参考に省エネに取り組んでいただきたい。
今年度は中小企業が省エネ機器などエネルギー分野に参入する際、技術開発から商品化、販路開拓までの取り組みを一貫して支援する補助制度を新たに設けた。ISICOや工業試験場も積極的にサポートし、新市場への進出を後押しする。
また、企業には県とISICOが昨年、連携協定を結んだ東京大学先端科学技術研究センターの知見を最大限に活用してほしいと考えている。同センターは再生可能エネルギーに関する世界のトップランナーであり、今秋には工業試験場と協力し、次世代太陽電池の一つとして期待される「色素増感太陽電池」の実証実験をスタートさせる。
既に同センターと試験場、それに県内の焼却炉メーカーが連携して太陽の光と熱を利用した新たな発電システムの開発に取り組んでおり、今後も県内企業と同センターのマッチングを図っていきたい。
ISICOにはさまざまな支援メニューと多様なスタッフをそろえている。意欲を持った企業をきめ細かにサポートし、その企業の持っている強みや独自性を伸ばしていくために力を惜しまないので、ぜひ、お気軽にご相談いただきたい。
企業名 | 公益財団法人 石川県産業創出支援機構 |
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創業・設立 | 設立 1999年4月1日 |
事業内容 | 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.70より抜粋 |
添付ファイル | |
掲載号 | vol.70 |