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【巻頭特集】多彩な制度、人材が企業を支援 連携活動のマッチングにも注力 谷本正憲理事長インタビュー 1

印刷ページ表示 更新日:2013年6月20日更新

巻頭特集
多彩な制度、人材が企業を支援 連携活動のマッチングにも注力

ニーズや実情に合わせて、企業の成長を多角的にサポートするISICOでは、石川県の産業を元気にするため、産学官連携による技術開発や商品化・事業化、受注・販路開拓などへの支援に取り組んでいます。開設15年目を迎えた今年度は、景気の回復基調をより力強いものにするため、さまざまな支援メニューの拡充を図りました。ISICOの支援策の成果や新たな取り組みについて、当財団の理事長である谷本正憲知事に聞きました。

政権交代後、いわゆるアベノミクスによって円安、株高が進み、景気回復ムードが広がる中、県経済の状況をどのようにとらえているか。

(財)石川県産業創出支援機構 理事長 谷本正憲 円安、株高と企業にとって活動しやすい環境が整ってきており、本県の鉱工業生産指数や有効求人倍率を見ても、リーマン・ショック直後の最悪の状態から着実に改善している。県としても、国の経済対策に呼応して、平成24年度補正予算と平成25年度当初予算を一体的に編成し、公共投資は前年度より4割増、1,000億円を超える予算を確保した。とりわけ、河川の堆積土砂の除去や道路の舗装修繕といったきめ細かな事業をそれぞれ県内各地の100ヵ所以上で行う予定だ。こうした取り組みで地域経済の回復の動きをしっかりと下支えしていきたい。

そんな中、ISICO ではどのような取り組みに力を入れるのか。

 ISICOの基本的な役割は県内中小企業の前向きな取り組みを強力にサポートすることであり、これまでに講じてきた諸施策の成果や企業のニーズを踏まえながら、支援メニューの拡充を図っていく。
 例えば、中小企業診断士などの専門家を派遣する「企業ドック制度」では専門家の派遣回数を1,500回から2,000回へと拡大した。中小企業の資金繰りを助けてきた中小企業金融円滑化法の期限が平成24年度末に終了したこともあり、早めの対策で問題点があるか否かを見つけてほしい。
 また、石川県の個性を生かした新商品の開発や販路開拓に助成する「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」事業では、採択を受けた事業の商品化率が9割と高い一方、採択率が4割と低いことから、中小企業の皆さまからの制度拡充のご要望にお応えし、従来の200億円から全国最大規模となる300億円へと基金を積み増した。これによって採択枠を65件から90件程度に増やし、有望な案件を確実に支援していきたい。
 これまで活性化ファンドを活用して開発された商品は県内の大消費地である金沢で「石川のこだわり商品フェア」を開催し、販路開拓の足がかりを作ってきたが、今年度はこのフェアを首都圏でも開催する。首都圏の消費者にPRするとともに、そこでの評価をさらなる改良に結びつけてもらい、全国区で認知されるような商品づくりにつなげてほしい。

県とISICOでは平成22年度に130億円規模の「次世代産業創造ファンド(次世代ファンド)」を創設し、新産業の創出を支援しているが、これまでの成果や今年度の取り組みは。

 石川県の産業基盤をより強化するため、次世代ファンドでは炭素繊維、航空機といった今後、市場の拡大が見込まれる分野の研究開発を支援している。
 炭素繊維については、次世代ファンドを活用して資金面で企業を後押しするほか、平成23年に試作開発用の設備がそろった「いしかわ次世代産業創造支援センター」を工業試験場内に開設、昨年には5年間で総額6億円規模となる文部科学省の大型プロジェクトに採択され、研究者等の人材の集積を進めてきた。言ってみれば「ヒト」「モノ」「カネ」の3 本の矢による支援がそろったことになる。
 また、今年3月には県やISICOのほか、県内の大学、東レ、コマツ産機、大和ハウス工業による共同提案が、文部科学省の大型拠点整備事業に採択された。この事業では軽くて丈夫な炭素繊維の用途を、飛行機や自動車だけでなく、鉄道や船舶、建築材料、福祉用具などに広げていくのが目標で、そのために安く大量に生産する技術を開発したり、環境に優しい植物由来の次世代複合材料を開発したりする計画だ。「石川から世界に向けた素材革命」を起こす、そんな意気込みで取り組んでいきたい。

航空機分野はどうか。

 何より安全が求められる航空機分野は高い技術力や品質管理が要求され、新規参入も困難だ。そんな中、品質保証に関する国際認証「Nadcap(ナドキャップ)」を複数の県内企業が取得した。これは日本海側の中小企業では初めてのことである。これらの企業の連携によって航空機の足回り部品の製造が可能であり、今後、受注が増えていくと期待している。
 これからも次世代ファンドを活用して、新たな産業の芽を大きく育てていきたい。

次世代産業の創出などの取り組みは、県の産業振興指針となる「産業革新戦略」に基づいて実施されてきた。今年度は新たな産業振興指針の策定に着手するそうだがその狙いは。

 産業革新戦略は平成17年度に策定し、その後、リーマン・ショックの影響を考慮して、平成22年度に見直した。その後も、生産人口の減少、国内市場の縮小、新興国の成長に伴う国内主要メーカーの国際展開の進展など、本県産業を取り巻く環境が大きく変化していることから、新たな戦略を策定し、石川の強みをさらに伸ばしたいと考えている。
 例えば国際展開について考えれば、これまでは中国が中心だったが、現地の人件費高騰などを背景に、県内企業の目は現在、東南アジアに向きつつある。そんな状況から、東南アジアへの進出に対するサポートも大きな柱になるのではないかと考えている。具体的には今後、県内企業の置かれた実情やニーズをしっかりと調査し、専門家を交えて議論を進めていきたい。

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

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備考 情報誌「ISICO」vol.70より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.70


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