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ISICO は10月12~14日、東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2011」に出展し、県内企業17社の技術やサービスを紹介した。これは企業向けICTソリューションの総合展示会で、ISICO の出展は昨年に続き2回目。期間中、約6万4千人が来場した。
県内に限らず、中小のIT 企業にとっての課題は「受託開発中心のビジネスからの脱却」と言われる。中小IT企業の多くはこれまで、各種システムやホームページなどの受託開発を事業の主力に据えてきたが、IT投資の減少、海外企業への開発委託の拡大などを背景に、経営環境は厳しさを増している。これを解決するには「独自の製品やサービスの開発」に力を入れ、受託開発への依存度を下げることが必須というわけだ。
そこで、今回の「明日へのチャレンジ」では、ISICO が「ITpro EXPO 2011」で紹介した企業の中から、自社製品の開発、販売に活路を見い出す3社の取り組みを紹介する。
goowa(株) 金沢市 http://www.goowa.jp/
goowaが力を入れているのは、日本人にしか表現できない雰囲気や世界観を持ったデジタルコンテンツの開発である。その代表とも言えるのが、今年10月にリリースしたiPhone用アプリ「兼六心音(けんろくことね)」だ。バーチャルの兼六園の池に鴨や鯉を放したり、東屋に加賀友禅を飾ったりと、さまざまなアイテムを自分好みに配置して楽しめる。今年5月に開かれたデジタル総合展「eメッセ金沢」のアプリコンテストでは最優秀賞を受賞。現在は無料版のみを公開しているが、今後、機能などを追加して有料版のリリースを検討する。
アプリ制作の狙いについて、中条忍代表は「兼六心音を通して、和の雰囲気や情緒を感じさせるデジタルコンテンツを作りたいというお客様に技術力をアピールできれば」と話す。その狙いどおり、金沢の老舗料亭からスマートフォンのメイン画面やアイコンのデザインを一括で変更する“きせかえコンテンツ”の制作を受注した。
一方で自社アプリを販売する上でも、「世界中に販売するには日本らしさが欠かせない」と中条代表。今年11月にはお経を読み上げたり、画面上に表示された字幕を追ってカラオケのように自分でお経を唱えることのできる読経アプリのリリースを予定しており、海外での販売にも期待を寄せている。
企業名 | goowa 株式会社 |
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創業・設立 | 設立 平成21年 |
事業内容 | 各種デジタル制作、システム、スマホアプリ開発、インターネット関連、ウェブコンサルティング、グラフィックデザイン、動画効果処理、企画、出版など |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.60より抜粋 |
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掲載号 | vol.60 |