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九谷焼のボールペンと名刺入れニューセラミックスで商品化

印刷ページ表示 更新日:2013年2月21日更新

目指せ!石川発の人気商品
ヒットの予感  

石川県が創設した「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の認定企業にスポットを当て、地域の資源を生かした商品開発について紹介する。

高い寸法精度と成形性を実現

九谷焼の技術を生かしたボールペンと名刺入れ 九谷焼の加飾を施したボールペンと名刺入れが登場し、今年2月末から東京や石川県内で販売される。商品化したのは大正初期の開窯以来、九谷焼の製造を手がける青郊だ。ボールペンは胴軸に、名刺入れは前面に伝統的な文様や桜などの絵柄が色鮮やかに描かれている。開発や販路開拓に当たっては「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の支援を受けた。
 商品化のポイントは、加飾を施す生地としてニューセラミックスを採用した点である。ニューセラミックスとは、陶磁器など従来のセラミックス以外の材料を成形、焼成した素材で、同社では硬度に優れたアルミナを原料としたものを使っている。陶磁器などに比べ、寸法精度が高く、焼成後に成形しやすいといった利点があり、強度も高いため、床に落としても割れることはない。
 例えば、ボールペンの胴軸は真円で真っすぐな筒状でなければならず、他の金属製部品との接合部にも高い寸法精度が求められる。従来の陶磁器ではこうした条件を満たすことができなかったが、ニューセラミックスを焼成後に研磨することでこのハードルをクリア。同社では今後もスマートフォンカバーや名刺など、ニューセラミックスを活用した新商品を開発する計画だ。

情報発信力や波及効果に期待

北野社長 「九谷焼は食器や美術品にしか使われてこなかったが、九谷焼の一番の特徴である加飾を工業製品に応用して商品のすそ野を広げたかった」。開発のきっかけについて、そう話すのは青郊の北野啓太社長である。もっとも、北野社長が今回の新商品に期待するのは広告塔としての役割だ。以前よりも売れなくなったとはいえ、九谷焼の売れ筋は食器である。しかし、食器だけでは情報発信力に乏しい。そこで、九谷焼の特徴である加飾を生かしてこれまでにない商品を開発することで、九谷焼の良さや青郊の技術力をPRしようというわけだ。
 現に、平成20年に九谷焼USBメモリを朝日電機製作所(白山市)と共同開発した際は、大手文具店や旅行会社、雑貨店など、これまで付き合いのなかった企業に販路が拡大したほか、USBメモリを糸口に食器へと取引が拡大したケースも少なくない。
 今回の商品も昨年9月のギフトショーをきっかけに販路が広がったほか、他の商品に応用したいという引き合いがすでに寄せられている。印刷技術を応用した絵付け技術の実用化や耐酸和絵具の開発など、業界に先駆けた技術開発に定評のある企業だけに、今後の取り組みからも目が離せない。

企業情報

企業名 株式会社 青郊
創業・設立 設立 昭和59年5月
事業内容 九谷焼の製造・販売、九谷焼の加飾によるインテリア・工業製品等の企画・製造・販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.68より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.68


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