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クラウド版の開発に当たってはWindows Server(ウィンドウズ サーバー) 2008のRemote Desktop Service(リモート デスクトップ サービス)(Remote App(リモート アップ))を利用した。これはクラウド・サーバーにインストールされたソフトへインターネット経由でアクセスできるようにする技術である。
パソコンにインストールして使う従来型のソフトをクラウド化するには、ソフトをWebアプリケーションとして再開発する必要があったが、この場合、一から開発し直すことになる上、これまで開発してきた膨大なソフト資産を生かすことができない。
そこで、Remote Appを活用することで、従来型のソフトを再開発しなくても、インターネット上でサービスを提供できるようになったというわけだ。
クラウド化は利用者だけでなく、コンダクトにとってもメリットがある。例えば、これまでならば、見込み客にデモンストレーションを見せる際、パソコンを持参し、1軒1軒訪問しなければならなかったが、ネット上で操作の様子を実演して見せることが可能になり、営業経費の削減につながっている。
また、開発に携わった同社システムエンジニアの北山亜矢子さんは「アクセスログを使って利用状況を解析できるので、その情報をシステムの改良に役立てたい」と意欲を燃やす。
クラウド化に続いてコンダクトが繰り出す新機軸は訪問看護支援サービスのモバイル対応である。タブレット端末を使って訪問看護師が外出先で看護記録を入力したり、看護指示書など訪問前後に必要な情報を確認できるため、看護ステーションに立ち寄る回数を最小限に抑えられる。
このほか、患部を撮影し、主治医に画像データを送信すれば、その場で主治医の指示を受けることもできる。モバイルプリンタを併用すれば、介護の現場で訪問看護記録の印刷も可能となり、これは介護市場では日本初の機能となるという。
今年1月末から東京都内の訪問看護ステーションで実証試験に取り掛かっており、4月には正式リリースの予定である。
「急速に高齢化が進む日本で、介護市場は拡大を続けており、成長の余地は大きい」と意気込む穴田社長。今後は訪問介護支援サービスのモバイル対応にも取り組み、他社との差別化を図る考えだ。
企業名 | 株式会社 コンダクト |
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創業・設立 | 設立 昭和48年6月 |
事業内容 | 介護保険システムなどの開発、販売 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.68より抜粋 |
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掲載号 | vol.68 |