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ネット販売を行っている県内の意欲ある店舗を支援するため、バーチャルショッピングモール「お店ばたけISHIKAWA」を開設しています。
ネットに進出し、さまざまな方法で販路開拓を行っているお店ばたけ出店者等を紹介します。
ふとんの玉手箱
http://www.rakuten.co.jp/futon-tamatebako/
「ふとんの玉手箱」は明治33年創業の老舗寝具店、大杉屋ふとん店が手がけるネットショップである。運営会社としてふとん屋. comを設立後、平成19年に楽天市場店、平成23年に自社ショップを開店した。中でも楽天市場店は、多い日には400件も注文が入る人気店だ。
「ネットショップは同じ商品を扱う店舗の数が多く、安売り競争になりがちだが、今は安いからと言って売れる時代ではない」。能登達朗代表はそう話し、「少しくらい高くても信頼できる店で買いたい」という消費者から選ばれる店づくりを目指している。
店の信頼感を重視する消費者を取り込むため力を注ぐのが、購入者が商品を使用した感想などを書き込む“レビュー”の収集である。ネットショップでは商品を実際に触ることができないだけに、購入者からの評価がよければ、店の信頼性が高まり、購入の呼び水になる。
多くのレビューを集めるため、同店では購入者に記入を促すメールを送るほか、記入者にプレゼントを進呈するなどしている。こうした取り組みの結果、レビューを書いてくれる購入者の割合は従来の10%から20~30%にまで増えた。現在、同店には累計1万2,000件を超えるレビューが寄せられ、満足度を示す得点は5点満点で4.6点と高い評価を得ている。
高評価のレビューが増えると客単価も向上した。当初は毛布など1,000円から3,000円の手ごろな商品の注文が多かったが、今では1万円ほどの羽毛布団が売れ筋となっている。
もちろん、商品や対応がよくなければ高い評価は得られない。同店では、売れ筋の羽毛布団は日本製にこだわって品ぞろえ。能登代表による工場訪問記を掲載したり、3年間の保証書を独自に発行するなど、安心して購入してもらえるよう工夫を凝らす。
このほか、リピーターにはスタッフの写真が入った手書きのメッセージカードを同封。週1~2回発行、更新するメルマガやブログでは、商品情報だけでなく、メイン購買層と同世代の女性社員が日常の出来事などをつづり、親しみや共感の得られる情報発信に努めている。
また、閑散期となる夏場には子どもの寝顔を撮影した写真を紹介する「寝顔コンテスト」を開催し、アクセス数の向上を図っている。
こうした取り組みが奏功し、ネットショップは実店舗の約4倍を売り上げるまでに成長した。今年からは自社ショップをISICOが運営するインキュベーションモール「お店ばたけ」に出店。今後は、実店舗と連携した販促イベントを企画し、一層の飛躍を目指す。
企業名 | 合資会社 大杉屋布団店 |
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創業・設立 | 設立 平成18年8月 |
事業内容 | 寝具の企画、製造、販売 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.66より抜粋 |
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掲載号 | vol.66 |