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山中漆器の伝統技術生かし木工品を新たな市場へ

印刷ページ表示 更新日:2012年8月30日更新

目指せ!石川発の人気商品
ヒットの予感  

石川県が創設した「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の認定企業にスポットを当て、地域の資源を生かした商品開発について紹介する。

空のペットボトルがおもちゃに早変わり

「Mokuneji」シリーズの製品 たにてる工芸が得意とするのは、山中漆器独特の「ろくろ挽(び)き」の技術である。精度の高いネジ切り加工にも定評があり、これらの技術を生かして、ペットボトルやステンレスボトルといった工業製品と組み合わせて使う木工品を開発した。
 その一つが「トイ・グリップ」だ。これは、柔らかな曲線を描く木製の持ち手の内側にネジ切り加工を施したもので、ペットボトルの飲み口にねじ込んで固定できる。付属の鈴や豆などをペットボトルに入れると、幼児が遊ぶガラガラになるというアイデアグッズだ。素材はブナで、天然のエゴマ油で塗装しているので、幼児が口にしても安全である。
 このほか、魔法瓶メーカーのSUS gallery(新潟県燕市)と連携し、ステンレスボトル用のコップを製造するほか、ガラスポット用のキャップも開発した。どちらも内側に溝が切られ、ボトルやポットにふたをできるようになっている。
 これらの製品は「Mokuneji(もくねじ)」シリーズとして、今年2月に東京ビッグサイトで開かれたギフトショーに出品され、約300件の引き合いがあった。その後、東京の日本橋三越本店などで販売されている。

ろくろと工作機械で寸法精度をアップ

 「ライフスタイルが変化し、木工品の販路は狭まるばかり。昔ながらの器にこだわらない製品を作りたいと3年前から取り組んできた」。開発のきっかけについてそう話すのは、ろくろ挽きを手がける谷口龍人氏だ。やるからには他社のできないことをと、得意のネジ切り加工を生かせるアイテムを考えた。
谷口龍人氏(写真右)と谷口天平氏 一品ずつ作り上げる木工品と大量生産される工業製品をぴったりと合わせるため、最大のネックとなったのは木工品の寸法精度だった。「同じケヤキでも一つ一つ性格が違うし、気温や湿度によって微妙に伸縮するので加工が難しい」(谷口氏)。そこで、ネジ溝を切る際は、ろくろで粗加工を施した後、数値制御の工作機械で加工し、最後に再び手作業で仕上げるという方法で、0.1mm単位の精度を実現した。その結果、トイ・グリップは国内メーカーのほとんどのペットボトルの飲み口に合うようになった。ステンレスボトル用のコップも全国魔法瓶工業組合が定める基準をクリアした。デザインや試作開発には、「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の助成制度を活用した。
 人気セレクトショップのビームスでは、同店のロゴを入れたトイ・グリップを近々販売する。谷口氏は「新しい販路ができてやりがいを感じている。これから先が楽しみ」と声を弾ませ、製品ラインアップの拡充に向け、意欲を燃やしている。

企業情報

企業名 たにてる工芸
創業・設立 設立 昭和48年
事業内容 山中漆器の木地制作、木工製品の制作

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備考 情報誌「ISICO」vol.65より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.65


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