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企業とデザイナーがコラボ 和紙製の食器や花器を商品化

印刷用ページを表示する更新日:2012年8月29日更新

明日へのチャレンジ

世界の一流料理人が、その土地の食材を使って創作料理を発表する世界的な食イベント「Cook It Raw(クック イット ロー)」。昨年11月に石川県で開催された際、日本人シェフの料理が和紙の器に盛り付けられて登場すると、出席者からはその優美な姿にスタンディングオベーションが送られた。器を製作したのは金沢市で和紙専門問屋を営む浅倉紙業と、同じく金沢市でプロダクトデザインを手がけるルート・デザインオフィスの原嶋亮輔氏である。そして、この取り組みを糸口に、和紙を使った食器や花器の開発が本格化している。

外国人シェフから「この器が一番」

Cook It Rawで使用された和紙の器(写真提供/Cook It Raw事務局) 和紙の器に料理を盛り付けたのはミシュランで二つ星を獲得した「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」(東京・南青山)のオーナーシェフ成澤由浩氏である。「祈り」と名付けられた料理は、ジネンジョをベースに加能ガニや三つ葉、ムカゴなどを散らして蒸し上げた一品。料理の真ん中にゴボウと菜種油で作ったロウソクが灯されている。
 器はおよそ70cm 四方の薄手の和紙で作られており、中央部分はちぎり和紙を重ね合わせてボウル状に成形されている。中央部分に料理を盛った後、料理を包むように和紙をすぼめると、和紙の奥でロウソクの明かりが幻想的に揺らめくという趣向だ。料理にはスープが入っているが、和紙に特殊な防水加工が施されており、漏れ出すようなことはない。
 陶器や漆器、ガラスの器ではできない演出に、料理を提供された出席者からは拍手が巻き起こり、外国人シェフも「この器が一番良かった」と口をそろえたという。会場に出向いていた浅倉紙業の浅倉敏之氏と原嶋氏は、こうした高い評価を耳にして抱き合って喜んだ。

二俣和紙の花器ギフトショーで好評

凛としたたたずまいを見せる「kamiwan」の花器。 水を直接入れても使える器を和紙で作るというアイデアは、実は3年前から温められていた。県内の製造企業とデザイナーが連携して新商品の開発を目指す事業に二人が取り組んだ際、原嶋氏が浅倉氏に提案したのだ。当時は、和紙を貼り合わせ、防水用の樹脂を表面にコーティングしたコップを試作したが、十分な耐水性が確保できなかったほか、内側に水のしみが残ったり、和紙の質感が損なわれたりしたため、商品化には至らなかった。
 その後、「Cook It Raw」で使われる器の製作者を募集していることを知った原嶋氏が浅倉氏に呼びかけ、以前にうまくいかなかった経験をベースに、試行錯誤を繰り返した。試作に当たっては塗料メーカーにも協力を仰ぎ、加工方法やコーティング材と相性のよい和紙選びなどに工夫を凝らした。
 この器は「Cook It Raw」の開催後、成澤氏のレストランの七夕イベントでも使用された。現在は市販に向けて、和紙の風合いを保ちながら何度も使用できるよう形状や防水加工に工夫を凝らした製品を試作している。
「kamiwan」の企画・製作で連携する浅倉氏(写真左)と原嶋氏。 また、器の製作で得られたノウハウを基に和紙製の花器の商品化にも取り組んだ。これは、和紙を8角柱の形に貼り合わせて防水加工を施したもので、水を入れたまま草花を生けておくことが可能だ。形は高さや太さの異なる3タイプがあり、素材は金沢特産の二俣和紙を使ったものとコウゾを原料としたものの2種類がある。
 食器や花器には「kamiwan(かみわん)」というブランド名を付け、今年2月に東京ビッグサイトで開かれたギフトショーにサンプルを出展したところ、レストランや旅館、商社、ブライダル企画会社などから予約があり、今年10月に同所で開催されるIFFT(東京国際家具見本市)で、新商品として正式発表する予定だ。
 浅倉紙業ではこのほか、金沢市のエイジデザインと連携してID カードケースや名刺入れ、ストラップなど5種類のグッズを商品化している。これらは浅倉紙業が独自に開発した色落ちしにくく、耐久性をアップした和紙素材を用いて作り上げた商品である。こちらは「kamiwaza(かみわざ)」のブランド名で展開しており、東京・銀座の文具専門店・伊東屋での販売が決まっている。この「kamiwaza」は平成23年度に採択された「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の補助事業を活用し、新商品開発や販路開拓を進めている。

独自技術と新発想で新たな事業の柱に

 そもそも浅倉紙業金沢営業所は昭和40年代初め、岡山県津山市にある老舗和紙問屋の金沢出張所として、金沢の箔打ち職人に金箔と金箔の間に挟む箔合紙を納めたのが始まりだ。その後、全国各地の手漉き和紙やオリジナルの和紙を取りそろえ、それらの和紙で作った小物を販売するなど業容を拡大。近年では間仕切りや壁紙、照明など、和紙インテリアの製造、施工にも力を入れる。
「kamiwaza」はパスケースなど5種類で、それぞれ4色をラインアップしている 同社が持つ和紙の加工技術とデザイナーのアイデアがコラボレーションした「kamiwan」「kamiwaza」は初の自社ブランドだ。浅倉氏は「幅広い購買層を狙える商品に仕上がった。従来とは違う販路を開拓できる」と声を弾ませる。「新たな事業の柱に育てていきたい」。そう話す言葉にも力がみなぎっていた。

企業情報

企業名 浅倉紙業 株式会社
創業・設立 設立 平成元年6月
事業内容 和紙インテリアの施工、創作和紙・和紙小物の製造販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.65より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.65

 


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