ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 情報誌ISICO > 生産性を大幅アップするハイスピード溶接機を開発

本文

生産性を大幅アップするハイスピード溶接機を開発

印刷ページ表示 更新日:2012年8月1日更新

トライアングル

県内では、産学官の連携によってニュービジネス創造を目指す動きが本格化しています。
ここでは、その実例に迫ります。

1カ所当たり1.5秒 厚い金属板も溶接可能に

ホーネット1号機 産業機械などを製造するタガミ・イーエクスは今春、全自動片側スポット溶接機「ホーネット」を開発した。
 スポット溶接とは、重ね合わせた2枚の金属板に圧力を加えながら電流を流し、その際発生する熱で金属を溶かして接合する方法だ。従来のスポット溶接機は、金属板を上下2本のアームで挟んで電流を流す方法が一般的だが、ホーネットの場合、金属板を固定する治具にマイナス側の電極を組み込んであり、1本のアームだけで溶接できるようになっている。
 最大の特徴は、並はずれた溶接スピードだ。機械のフレームの剛性を高めてアームが素早く移動できるようにし、大容量の特殊電源を搭載して連続溶接を可能にした結果、1カ所につき1.5秒と、従来機に比べて所要時間を半分以下に短縮した。
 また、高剛性フレームの採用によって溶接時の圧力を高められる上、特殊電源を用いることで、従来機よりも厚い金属板を溶接できる点も特徴の一つである。
 2本のアームで挟む必要がないため、どんな形の金属板でも溶接できる。

省スペース化を実現 自動車部品メーカーに照準

 開発に当たっては「いしかわ次世代産業創造ファンド助成事業」の支援を受けた。同社にとって溶接機の開発は初めてだったが、産業機械の製造で培ったノウハウを生かして、商社から持ち込まれたアイデアを具現化した。制御技術については岡田商会(金沢市)の協力を得た。
 タガミ・イーエクスの田上好裕社長がホーネットの主要な販路と見込んでいるのが自動車部品メーカーである。
田上社長 田上社長によれば、自動車部品メーカーではモデルチェンジで部品の形状が変わるのに合わせて、工場内のレイアウトを見直すケースが多い。ホーネットは従来の溶接ロボットに比べてコンパクトで移動しやすい上、溶接スピードが格段に速いので、これまで2~3台の溶接ロボットがこなしていた仕事を1台でさばくことが可能になり、大幅な省スペース化に貢献する。
 今年5月に県産業展示館で開催された機械工業見本市金沢「MEX金沢2012」に出品した1号機は来場者からも大きな注目を集めた。今後は石川県工業試験場に破壊試験や引っ張り試験を依頼し、溶接の品質についてお墨付きを得ると同時に、工科系の大学と連携し、一層の改良を図り、年間10台の販売を目指す。

企業情報

企業名 株式会社 タガミ・イーエクス
創業・設立 設立 昭和44年7月
事業内容 産業・建設・環境機械及び周辺装置 プレスブレーキ金型の製造、販売

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 関連URLを開く
備考 情報誌「ISICO」vol.64より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.64


月間アクセスランキングへのリンク

月間アクセスランキング
DGnet 企業情報/バーチャル工業団地/情報誌ISICO


ViVOサイトへのリンク

活性化ファンド・チャレンジ支援ファンド商品開発ストーリー集サイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク