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ISICOは10月18日、県地場産業振興センターで「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」を開催した。将来有望な起業家を発掘するコンテストは今年で5回目を迎え、過去最多となる53人の応募者の中から2度の書類選考を通過した7人が約200人の来場者の前でプレゼンテーションを行った。(株)アイ・オー・データ機器の細野昭雄社長をはじめ起業家や経営コンサルタントが審査した。ここでは、ISICOが集中的に支援する最優秀起業家賞1人、優秀起業家賞3人の提案内容について紹介しよう。
最優秀起業家賞を獲得したグランゼーラ(金沢市)の名倉剛代表が提案したのは、金沢で制作したゲームを世界中の人々に販売するというビジネスプランである。
同社の主力は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用ゲーム機「PlayStation 3(PS3)」や携帯ゲーム機「PlayStation Vita」向けのゲームソフトの開発だ。また、PS3 のオンラインでつながる仮想空間「PlayStation Home」の制作や運営、この空間でアバター(ユーザーの分身)が身に付ける衣装やアイテムなどの販売を手がけている。
こうしたサービスはSCE のPlayStation Network を通じて日本はもちろん欧米やアジアなど世界の国々で利用することが可能。名倉代表はこうした流通インフラを活用して、自社ブランドのゲームを海外に販売するというわけだ。
名倉代表はこれまで、20年以上にわたってゲーム開発に携わった経験を持ち、今年4月に起業した。独立前には、震災や水害によって崩壊した都市から仲間と助け合って脱出するゲームをはじめ、斬新なゲームを創出、ヒットさせた実績もあり、「新たなジャンルを生み出し、そこでナンバーワンの存在を目指す」と気を吐く。
すでに今年7 月に南海の孤島を舞台にしたPlayStation Home のラウンジ(仮想空間)を開設しており、9月からは海外でもサービスの提供が始まった。来年初めには新作ゲームの発売を予定する。一方で、地元の大学との連携プロジェクトも計画し、「ゆくゆくは金沢をたくさんのデジタルエンターテインメントの会社ができるような街にしたい」と思いをはせている。
企業名 | 株式会社 グランゼーラ |
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創業・設立 | 設立 平成23年4月 |
事業内容 | 家庭用ゲームソフトの企画、制作、販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.60より抜粋 |
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掲載号 | vol.60 |