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独自の凝集剤を開発し、水処理事業を本格展開

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

トライアングル

県内では、産学官の連携によってニュービジネス創造を目指す動きが本格化しています。
ここでは、その実例に迫ります。

汚れに合わせて調合

凝集剤「かわせみ」の使用イメージ 土木工事などを手がける摩郷は、金沢大学の協力を得て、水処理事業に力を入れている。
 事業の柱となるのは水質浄化用の凝集剤「かわせみ」だ。これは、水酸化カルシウムなどを主成分とするオリジナルの薬剤で、濁りの原因となる土などの微粒子、ヒ素や鉛など有害な重金属を凝集し、沈降させる。汚れの原因に合わせて、さまざまな添加物を加え、オーダーメードするため、工場排水や生活排水、水質汚濁の進んだ湖沼など、幅広い用途に利用可能だ。薬剤の調合にあたっては、金沢大学環日本海域環境研究センターの福士圭介助教からアドバイスを得ている。
 処理水に有害物質が含まれることはなく、マウスやヒメダカを使った実験でもその安全性は証明済み。昨年、羽咋市の旧散弾銃射撃場で鉛弾除去作業が行われた際には、鉛弾の選別時に出る廃水の処理に使われた。
 また、災害時に河川の水などを生活用水として使えるように浄化する凝集剤「すいせん」も合わせて開発。こちらは食品添加物としても利用が認められている化学物質を主成分としており、煮沸して滅菌すれば飲用も可能だ。

土壌の重金属を安定化

摩郷社長 このほか、同社では福士助教と共同で土壌処理用の不溶化剤「やませみ」を開発した。この薬剤を汚染された土壌に添加、かくはんすると、土壌に含まれる有害重金属を化学的に安定化し、雨水や地下水に溶け出さないようにする。先述した旧散弾銃射撃場にも施工された。
 同社の摩郷則雄社長は「公共関連の事業が減少しており、水処理・土壌処理事業を軌道に乗せたい」と意気込み、東京事務所の設立など、今年は営業体制を強化する考え。さらに、日本企業7 社が連携して水処理プラントなどを海外に販売する「チームICHIGO」にも参画しており、イラクやベトナムへも販路拡大を見込んでいる。

Message from Another Side

 金沢大学環日本海域環境研究センター水質地球化学研究室では、天然に認められる地球化学プロセスを応用した低環境負荷・低コスト・高効率の環境浄化材料づくりを行っています。モンゴル・フブスグル湖の堆積物中からモノハイドロカルサイト( MHC)という地質中では非常に珍しい鉱物を発見しました。MHC の低環境負荷性・高い反応性に着目し、MHCが水に溶けた有害なヒ素を取り込んで無毒化する性質があることを確認しました。またMHCは富栄養化の原因となるリンに対しても高い除去能力があることを確認しています。本研究室では、天然鉱物の持つ環境浄化能力を見いだすだけでなく、室内実験や理論に基づいて浄化メカニズムの解明も行い、数値モデル化を目指します。モデル化を行うことで、さまざまな異なる汚染環境に対応できる最適な環境浄化方法を提案できると考えています。

国立大学法人金沢大学
環日本海域環境研究センター
助教 福士 圭介
〒920-1192 金沢市角間町
Tel:076-264-6520 FAX:076-264-6545
E-mail:fukushi@kenroku.kanazawa-u.ac.jp

 

企業情報

企業名 株式会社 摩郷
創業・設立 創業 明治12年
事業内容 土木工事、安全施設工事、緑化工事、水処理事業、補修・防食塗装工事など

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備考 情報誌「ISICO」vol.57より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.57


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