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世界初の立体レースで他社にアドバンテージ

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

目指せ!石川発の人気商品
ヒットの予感

石川県が創設した「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」と経済産業省の「地域産業資源活用事業」の認定企業にスポットを当て、地域の資源を生かした商品開発について紹介する。

約300種類のデザイン案が完成

細幅レースのデザインサンプル 撚糸、染色などの糸加工を専門に手がけてきた金田繊維では、経済産業省の「地域産業資源活用事業」の認定を受け、世界で初めてとなる機械編みによる立体的な高級レースの製造に力を入れている。
「ISSEY MIYAKE」に採用されたストール これまでの機械編みでは、凹凸の少ない平面的なレースしか編めなかったが、同社では特殊なレース機を使って、模様に立体感を持たせることに成功した。2枚のレースを重ねたように編んだり、2枚のレースを交差させたように編むことも可能だ。従来、このようなレースを作るためには手編みするしかなかった。
 既存の平面的なレースがトーションレースと呼ばれていることから、同社では、この商品を英語で“重なり”を意味する言葉を頭に加え、「レイヤートーションレース」と名付けた。価格は平面的なレースの約2倍。商品は「F-La(エフレ)」のブランド名で展開する。
 現在までに、幅10 .50mmの細幅レースとして約300種類のデザインパターンを完成させており、女性用アパレルやベビー服、ストール、ハンカチなどの用途を見込む。約30種類がすでに手芸店で販売されているほか、今夏までにカタログを作成し、商社やアパレルメーカーを中心に販路を開拓する計画だ。
 また、独創的な技術がファッションデザイナーの三宅一生氏の目にとまり、2枚のメッシュ状の生地を交差させたように編んだストールの製造を受注。「ISSEY MIYAKE」の新作商品として今年1月から店頭で販売されている。同社の金田友彰社長は、「将来的には自社でも一般消費者向けの最終製品を作り、BtoCのビジネスを強化したい」と意欲をみせる。

海外製品に負けないオンリーワンの商品

立体レースの編み機 金田繊維がレイヤートーションレースの製造に乗り出したのは3年前にさかのぼる。当時、金田社長は低迷する繊維業界の中で何とか活路を見いだそうと、新たな商機をうかがっていた。そこにもたらされたのが、群馬県内の機械メーカーが開発していた新型レース機の情報だった。聞けば、機械メーカーは、繊維企業と二人三脚で新型レース機の完成度を高めたいとの意向を持っていた。
金田社長 「 立体レースは付加価値が高い。長年培ってきた糸加工の技術も役立つうえ、他社に先駆けて製造ノウハウを身に付ければ大きなアドバンテージになる」。金田社長はそう考え、開発途中の新型レース機を導入。試作を通して明らかになる問題点をフィードバックしながら、立体レースの開発に取り組んだ。
 多くの繊維製品と同様に、レース市場も海外製品が圧倒的なシェアを占める。しかし、金田社長は「この先、新型レース機が市販されたとしても、すぐにはまねのできない技術を確立した」と胸を張り、将来の事業の柱として期待をかけている。

企業情報

企業名 金田繊維 株式会社
創業・設立 設立 大正5年
事業内容 撚糸、染色などの糸加工、レイヤートーションレースの製造

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備考 情報誌「ISICO」vol.57より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.57


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