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ISICOでは、企業の設備投資を支援するため設備貸与制度で、企業の成長を後押ししています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。
航空機部品や精密機械部品、電子部品などの製造を手がけるスーパ・アロイは、難易度の高い精密加工、微細加工に定評がある。
社員13人の工場だが、取引先には大手企業がずらりと並び、高度な品質管理が求められる航空機部品が売り上げの約60%を占める。次世代中型ジェット旅客機として開発が進むボーイング787にも、半導体の冷却用パネルなど50アイテムを提供するというから、技術力の高さは折り紙つきだ。
技術力と同様に、同社の魅力と言えるのがコストパフォーマンスの高さだろう。その秘密は同社の加工方法にある。例えば、小指の先ほどの小さな円筒状の部品。目を凝らすと、ようやく見える微細な穴は直径0.1mm程度で、なんと760カ所も開けられているという。放電加工機でなければ難しいと思える加工だが、同社ではマシニングセンタを使ったドリル加工でこの小さな穴を開けている。
「高価な機械を使えば、生産コストが上がり、中国製品に太刀打ちできなくなる」。山下良紀社長がそう話すように、同社には特殊な機械は一切導入されていない。マシニングセンタを除けば、旋盤にフライス盤に研削盤と、工場にあるのは年季が入った汎用機械ばかりだ。こうした機械でも、創意工夫を重ね、最適な加工条件を見い出すことで、難易度の高い加工ができるというわけだ。設備への投資が少ない分、生産コストも安く抑えることができる。
また、どの機械も独自にプログラミングしたソフトで制御するのも特徴の一つ。工作機械メーカーのソフトを購入しないため、初期投資が抑えられるうえ、古い機械でも最新のソフトで動かすことが可能になる。
昨年12月には、ISICOの設備貸与制度を利用して立形マシニングセンタを導入した。「新品の工作機械を導入したのは久しぶりで、うれしくて年末年始も休まずに機械を動かし続けた」と笑顔を見せる山下社長。主力マシンとして期待をかけており、協力企業と共に、一層の品質向上や円高の影響で一段と厳しさを増すコストダウン要求にこたえる。
「どこの会社でも加工が難しくて困っている部品が必ずある」。山下社長は難しい仕事、他社の嫌がる仕事を取引の突破口に大量生産品の受注につなげ、経営基盤を強化する考えだ。
企業名 | 株式会社 スーパ・アロイ |
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創業・設立 | 設立 平成14年4月 |
事業内容 | 航空機部品、精密機械部品、電子部品などの製造 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.57より抜粋 |
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掲載号 | vol.57 |