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県内企業27社と日立造船が商談会

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

技術提案型展示商談会
受注目指し、独自技術をアピール

石川県とISICOは11月10日、大阪市の日立造船(株)事業・製品開発本部技術研究所で「技術提案型展示商談会」を開催した。県外大手メーカーとの商談会は平成20年度のトヨタ自動車(株)、21年度の三菱重工業(株)・日産自動車(株)に続いて4回目の開催となる。商談会には、機械や繊維、ITなど県内企業27社が参加し、新規参入を目指して独自の技術や製品を売り込んだ。当日は日立造船をはじめ、70社を超える協力企業から472名の技術者、仕入れ担当者らが訪れ、試作や見積もりの依頼など1036件の商談が行われた。

技術力に高い評価 今後の連携に手応え

来場者に自社の技術を紹介する出展者 来年で創業130周年を迎える日立造船はかつて、その社名が示す通り造船を主力事業としてきた。しかし、造船事業は平成14年に別会社へ分離しており、現在は環境プラントや精密機械、海洋・防災システム、橋梁、建設機械など実に幅広い領域で事業展開している。
 展示商談会が開かれた事業・製品開発本部は、新分野や先端技術の研究などを手がける同社の開発の中枢である。トップセールスに駆けつけた谷本正憲知事とともに会場を視察し、県内企業から説明を受けた古川実会長兼社長は、「優れた技術があれば、研究段階から組み込んでいくことが重要」と同本部で商談会を開催する意義を強調した。また、同社の経営方針について「従来は重厚長大な製品開発が主力だったが、これからは有機EL製造装置や太陽電池製造システムといった精密機械分野を伸ばしていきたい」と説明。その上で、「出展企業の技術力は高く、私たちの事業計画とマッチする提案もあった。今後、どの技術を採用するか、真剣に考えていきたい」と話した。

システム高度化や新素材に商機あり

谷本知事(写真左)と日立造船の古川会長兼社長(写真右) ちなみに、日立造船がこうした展示商談会に臨むのは今回が初めてのこと。同社調達部の広重亨管理グループ長は、「部品等の仕入れ先は常に全国レベルで探しているが、私たちが知らない技術も世の中にはたくさんあるはず。石川県には優秀なモノづくり企業が多く、今回の商談会を通して、仕入れ先の開拓はもちろん、開発のヒントを得たり、新たな知識を吸収する良い機会になった」と収穫を語った。
 また、同社総務・人事部の河井義弘広報グループ長は「例えば当社が現在力を入れている太陽電池製造システムでは、機能性フィルム成形装置など各種装置を別々に作っているが、将来的にはこれらをすべて一体化したい」と話し、「地方の中小企業でも、安価で優れた新素材、あるいはシステムの高度化に寄与する技術の二点でビジネスチャンスがある」と商談の進展に期待を寄せた。
 次ページでは、商談会に参加した2社の提案内容を紹介していこう。

旧式の機械を最新鋭機に 「レトロフィット」
(株)田辺鉄工所/金沢市

 田辺鉄工所が提案したのは大型工作機械の「レトロフィット」である。レトロフィットとは、古く劣化した機械を修理し、加工のスピードや精度を高め、新品同様に復元する手法である。といっても、単なる修理やオーバーホールではない。先進的なNC(数値制御)装置やモーター、部品を搭載し、高性能の機械としてよみがえらせるのだ。
 大型工作機械の場合、旧式とは言っても丁寧に作られており、最新鋭の機械より優れた点もある。その一つが鋳物で作られたベッド(本体を構成する土台)であり、現在主流となっている厚板を機械加工したベッドに比べ、加工精度の維持に適しているのだ。多くの受注実績を持つ同社の日高明広専務は、「鋳造後、何十年も経ったベッドは鋳物の内部応力が消え“枯れた”状態となっているため、より安定し、高い精度が維持できる」と強調する。
 新品の購入に比べればコストはおよそ2分の1で納期も短く、NC化によって合理化にもつながる。リサイクルという観点から見れば環境にも優しい。「130年の歴史を持つ日立造船ならば20~30年使った大型工作機械がたくさんあるはず」。そう話す日高専務の言葉どおり、商談会当日は多くの関心が寄せられた。日立造船の古川実会長兼社長も「1万tクラスの大型プレス機のレトロフィットは可能か」と質問するなど、その技術力に注目しており、日高専務は受注に向け、確かな手応えを感じている。

独自に開発した鋳造法で高品質・小ロット品を安価に
オカダ合金(株)/かほく市

 アルミニウム合金の鋳造を手がけるオカダ合金では、多品種少量生産に便利な簡易重力金型鋳造法を紹介した。
 市販の鋳造機を使った一般的な重力金型鋳造法では、その鋳造機に合わせた金型を取り付けなければならないため、製品のサイズにかかわらず、大きく高価な金型が必要となる。そのうえ、金型の取り替え作業にも時間を要するため、多品種少量生産には不向きとされてきた。
 一方、同社が独自に開発した簡易重力金型鋳造法は市販の鋳造機を用いず、熟練した作業者が材料を流し込むため、金型は製品のサイズに応じてコンパクトに安価で作ることができる。金型の取り替えも容易だ。薄肉で、複雑な形状の製品づくりが可能で、0.1mm単位の高精度を実現している。
 また、製造にあたっては、石川県工業試験場の協力を得て、鋳造シミュレーションシステムを導入している。このシステムでは溶湯の流れや凝固の仕方を可視化できるので、事前に欠陥の種類や発生箇所を予測し、最適な金型を製造する。
 岡田等社長は一品一様のモノづくりをしている日立造船ならば商機があるのではと考え、商談会への参加を決めた。当日は、ブースを訪れた関係者から「面白い」「使えそうだ」との声が聞かれたほか、見積もり依頼も寄せられており、今後の商談成立に期待が高まる。

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備考 情報誌「ISICO」vol.55より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.55


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