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石川県が創設した「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」の認定企業にスポットを当て、地域の資源を生かした商品開発について紹介する。
創業以来、珍味・海産物の加工販売を手がける宮商では、平成21年度いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)の認定を受け、天然ブリや能登本マグロ、能登産活タコを使った「たたき」の開発に取り組んでいる。
同社のたたきの特徴は、凍らせた魚介の表面を高温で焼き上げた後、再び急速冷凍して真空パックで包装する調理法にある。通常のたたきは、表面を焼き上げた後、氷水につけてあら熱を取り、中まで火が通らないようにする。一方、同社では、火の通りをコントロールしやすいように、あらかじめ凍らせた魚介を使うことで、一定の割合で熱を通し、品質を均一にすることに成功した。
また、機械に頼らない手焼きにもこだわる。例えば、脂が乗ったブリは、食べ進めるうちにしつこく感じるときがあり、生では独特の臭みもある。そこで、臭みを取り、最適な脂の状態になる、ぎりぎりの焼き加減を人の目で見極め、あっさり、さっぱりとした飽きのこない味わいに仕上げた。釜親(かもや)良裕常務は「冷凍ならば食べたい分だけ食べることができるので、個食化が進み、中食、内食の傾向が強まっている現代の食生活にマッチした商品となった」と胸を張る。
同社が「たたき」シリーズの開発に着手したのは6年前。北海道でカツオのたたきがよく売れるという話を聞いた宮元敏夫社長が、カツオの代わりに石川産のブリをたたきにしようと考えたのがきっかけだった。今では、ブリのたたきは会社全体の売り上げの1割を超える主力商品に成長した。
この成功を足がかりに、同社では昨年、活性化ファンドを利用して「たたき」のシリーズ化に踏み切り、天然ブリ、能登本マグロ、能登産活タコをラインアップに加えた。今後は、能登産アワビの商品化を視野に入れている。
「たたき」シリーズは、石川県内では同社の直営販売店「逸味(いつみ) ・潮屋(うしおや)」、県外では百貨店の物産展などで取り扱い、ネット販売もしている。売れ行きは順調で、今年は上半期で前年実績を大きく上回り、通期の売り上げは150%アップを目指している。目下の課題は増産体制を整えることだという宮元社長は「県外の人たちは『金沢の食はうまい』というイメージを持っている。その期待に応える商品をこれからも生み出したい」と意欲をにじませる。
企業名 | 株式会社 宮商 |
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創業・設立 | 設立 昭和58年3月 |
事業内容 | 珍味・海産物の加工販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.53より抜粋 |
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掲載号 | vol.53 |