ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 情報誌ISICO > メニュー > 情報誌ISICO検索 > 自社商品の開発やモデル店舗を通して、靴店の未来像を探る

ViVOサイトへのリンク

活性化ファンド・チャレンジ支援ファンド商品開発ストーリー集サイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク


自社商品の開発やモデル店舗を通して、靴店の未来像を探る

印刷用ページを表示する更新日:2012年1月16日更新

明日へのチャレンジ

靴を買う際は、サイズを除けば、デザインやブランド、価格で選ぶという人が多いのではないだろうか。金沢市内に3店舗を展開する「のさか」は、「お客様の役に立ちたい」(野坂哲也社長)との一心で、膝や腰を痛めないよう、一人ひとりの足の状態をチェックして、最適な靴を提案するこだわりの靴店だ。さらに、小売店と靴工場、そして消費者の3者がそれぞれメリットを享受できる関係の構築を目指して、自社商品の開発やモデル店舗の展開など、意欲的なチャレンジを続けている。

歩いて楽しい靴10万足を販売へ

ウォーキング専用靴「ストレッチウォーカー」 のさかを率いる野坂哲也社長は、全国でも十数人しかいない上級シューフィッターの資格を持つ。シューフィッターとは、足のサイズだけでなく、甲の高さや指の長さなど、人によって異なる足の形を計測した上で、その人に合った靴を選ぶ人のことである。相性のいい靴を提案するだけでなく、既製品をより快適に履けるようインソール(中敷き)などを補正する場合もある。
 そんな野坂社長が企画、開発し、ヒット商品となっているのがウォーキングシューズ「ストレッチウォーカー」だ。靴底のつま先部分とかかと部分には柔らかく沈み込む低反発クッション材を採用、土踏まずのあたる中央部には硬い素材を用いている。立ち止まっていると一本下駄を履いたときのように不安定だが、自然と正しい体重移動ができるよう設計されているため、ひとたび歩き出すと、筋肉をバランスよく鍛えることができて、関節にも優しい。履き心地は砂浜を素足で歩いているように気持ちよく、ウォーキングを楽しく続けられる。6年前から販売をスタートしており、現在はオランダの老舗靴メーカー・ニムコと提携して製造。今年は10万足の販売を見込んでいる。
 この商品以外にも、履きやすさにプラスして個性的なデザインが光る「エジェクト」など、のさかでは、いくつもの靴ブランドの企画・開発を手がけている。

既存の流通に依存しない経営を

野坂社長 野坂社長が自社商品の製造に挑戦し始めたのは、今から8年前にさかのぼる。当時、のさかでは、一人ひとりの足に合わせた靴を提案するという店のコンセプトが浸透するにつれて常連客も増え、売り上げも順調に伸びていた。しかし、「ようやく自分の目指す店づくりが実現できた」と手応えを感じる一方、「既存の流通システムの中では、小売店や靴工場は不利な取引条件を飲まざるをえない」(野坂社長)ため、経営は厳しさを増すばかりだったという。
 そこで、野坂社長が考えたのが既存の流通システムに依存せず、小売店と靴工場が適正な利益を得られる自社商品の製造だった。
 商品開発にあたっては、「何が売れるかではなく、何がお客様の役に立つか」を第一に考え、知恵を絞った。折しも、野坂社長自身が糖尿病の運動療法としてウォーキングを始めていたこともあり、「根気のない自分でも毎日ウォーキングが続けられるような靴があれば、生活習慣病を改善、予防したい人に喜ばれるのでは」と考え、「ストレッチウォーカー」を2年がかりで開発した。
 以降、自社商品のラインアップを拡充し、現在では問屋から調達する商品は以前の5分の1に減り、自社商品の販売比率は全体の7割を占めるまでになった。これに伴って経営状況も好転。同社の商品を取り扱う小売店は全国100店舗にまで広がっている。

整形外科を学んだ靴職人とも連携

オーソペディ・シューマイスターが足の変形などで悩む顧客の相談に乗る 挑戦は商品開発だけにとどまらない。野坂社長はすべての店舗を実験的な意味合いを持ったモデル店ととらえ、店づくりでも工夫を凝らしている。
 例えば本店は、より専門性の高い靴店のモデルである。
 月に2日は靴に関する専門技術のほかに整形外科の知識を習得し、ドイツの国家試験に合格した靴職人、オーソペディ・シューマイスターが来店。リウマチで足が変形した人などを診断した上で、症状をやわらげたり、快適な歩行を可能とする靴を“ 処方” する。
 また、今年1月からは月に2日、フットケアの専門家が来店し、角質のひび割れやタコ、爪の変形など靴選びだけでは解決しにくい足のトラブルをマッサージなどで改善している。どちらも毎回予約でいっぱいになるほど好評で、リピーターも多い。もちろん、靴の購入にもつながっている。
フットケアの専門家 今年7月には3店舗目としてアウトレット店をオープンした。ここでは昨シーズンの商品や、靴の柄が左右で微妙に違うなど機能的には問題ないが定価で売れない商品を安く販売している。
 アウトレット店は、同社の靴を扱ってくれている小売店の在庫を引き取った後、効率よくさばくための役割も担う。野坂社長は「自分が幸せになるためには、自分の周りも幸せでなければならない」と話し、小売店と靴工場、そして消費者がそれぞれメリットを享受できるような環境を作り出そうと、店舗や流通、商品開発のあり方を考え続けている。

企業情報

企業名 有限会社 のさか
創業・設立 創業 昭和32年1月
事業内容 靴の販売、修理

企業情報詳細の表示

関連情報

関連URL 関連URLを開く
備考 情報誌「ISICO」vol.53より抜粋
添付ファイル 添付ファイルを開く
掲載号 vol.53

 


月間アクセスランキングへのリンク
 
月間アクセスランキング
DGnet 企業情報/バーチャル工業団地/情報誌ISICO