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ISICOでは、企業の設備投資を支援するため設備貸与制度で、企業の成長を後押ししています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。
棒だらの味付けや昆布巻きなど、昔ながらの総菜を製造、販売する新屋食品では、平成19年にISICOの設備貸与制度を活用して、プレハブ冷凍庫・冷蔵庫を導入した。
これは、高性能の断熱パネルを工場内に搬入し、その場で組み立てて設置する冷凍庫・冷蔵庫のことである。同社では、手狭で老朽化していた工場の新築移転に合わせて、原料倉庫や低温貯蔵室、出荷室といった用途ごとに8つのプレハブ冷凍庫・冷蔵庫を設置。プラス10度からマイナス30度まで、それぞれの用途に合わせて最適の温度管理を実現している。
今回の設備投資によって、同社の冷凍・冷蔵スペースは従来のおよそ3倍へと拡大した。これまで外部に分散して預けていた原材料等を一カ所で保管できるようになったことから作業効率が向上。同時に調理釜も増やして増産に対応できる体制を整えた。同社の新屋友法社長は「大手スーパーなどから寄せられる大型の注文も安心して受注できるようになった」と笑顔を見せる。
このほか、断熱パネルならではの高い気密性で細菌やカビなどによる食品汚染を防ぐクリーンルームや商品開発に向けた研究室も整備。新工場には、見込み客が見学に訪れるようになり、その場で商談がまとまるケースも増えたという。
同社は国内外から厳選した素材を、白山の伏流水や能登の塩、絞りたての大野醤油を使って調理。素朴な味わいが人気で、設立以来、順調に業績を伸ばしている。
さらに顧客を拡大しようと、平成20年には無添加・無着色にこだわった総菜の新ブランド「新屋匠蔵(しんやたくぞう)」を立ち上げ、社屋に併設するカフェ「ココペリココ」で販売するほか、東京都内のデパートでも販路拡大を試みている。
「売り上げを伸ばすには、既存の顧客からの受注拡大、新規顧客の開拓、商品開発が必要」と話す新屋社長。そのためには新工場をフル稼働させると同時に、「今後は人材育成などソフトの充実にも力を入れたい」と意欲を見せている。
企業名 | 新屋食品 株式会社 |
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創業・設立 | 設立 平成4年2月 |
事業内容 | 惣菜、日配品、ギフト等の製造販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.51より抜粋 |
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掲載号 | vol.51 |