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ネット販売を行っている県内の意欲ある店舗を支援するため、バーチャルショッピングモール「お店ばたけISHIKAWA」を開設しています。 ネットに進出し、さまざまな方法で販路開拓を行っているお店ばたけ出店者等を紹介します。
[漆器の喜八工房]
http://www.kihachi-web.com/
明治15年創業の山中漆器の老舗である酢谷は今年3月、ISICOが開催した「ネットショップコンテスト石川2008」で準グランプリを獲得した。
同社が運営するネットショップ「漆器の喜八工房」は、黒をベースに用いたシックで洗練されたデザイン。約100種類の漆器を「シーン」「色や材質」「形」「シリーズ」「価格」で分類し、消費者が好みの商品を探しやすいよう工夫されている。
伝統的な木製漆器にこだわり、現代のライフスタイルに合うデザイン性に優れた漆器づくりが同社の真骨頂だ。とはいえ、ネットショップでは実際に商品を手にとることはできない。そうしたデメリットをカバーするため、喜八工房ではさまざまな角度から撮影した商品写真を掲載するほか、実際に料理を盛りつけた写真で使い方を提案。漆器のある暮らしをイメージできるようになっている。
ネットショップを運営する六代目当主の酢谷喜輝氏は「まさか受賞できるとは思わなかった」と驚きを隠さず、これを励みに、さらに改良を加えようと気持ちを新たにしている。
「興味はあったが、ネットでは売れないと思っていた」という喜輝氏が自社サイトを立ち上げたのは約7年前にさかのぼる。その言葉通り、当初はショッピング機能はなく、B to Bを意識して商品を紹介するだけのサイトだった。
ネットショップとしてリニューアルを図ったのは昨年7月のこと。経営相談で訪れたISICOからホームページドクター広瀬誓氏((株)ヒロテック代表取締役)を紹介されたのがきっかけだった。同社ではかつて問屋への販売が9割を占めていたが、近年は問屋や小売店に比べ、消費者への販売比率が増える傾向にある。こうした現状を踏まえ、消費者への販路拡大にはネットショップが有効な手段と考えを改めた。
開設後、徐々にだが着実に成果は出始めている。また、ネットショップが呼び水となり、結婚式の引出物などまとまった受注につながるケースがあるほか、実店舗への誘客にもつながっているという。
「メールマガジンの発行、ギフト用の企画やネットショップ限定商品の開発など、まだまだやれることは多い」と喜輝氏。「2年後に1日100件のアクセス、月商100万円を目指す」と目標を掲げ、ショップ運営に一層力を入れる考えだ。
企業名 | 株式会社 酢谷 |
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創業・設立 | 設立 昭和53年9月 |
事業内容 | 山中漆器の製造、販売 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.46より転載 |
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掲載号 | vol.46 |