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0.1mmの超薄板を接合する半導体レーザー溶接機を開発

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

トライアングル

県内では、産学官の連携によってニュービジネス創造を目指す動きが本格化しています。
ここでは、その実例に迫ります。

空冷装置を搭載しメンテナンス不要に

高出力半導体レーザー精密溶接機 写真 産業機械の製造を手がける村谷機械製作所では、県工業試験場などと共同で、高出力半導体レーザー精密溶接機を開発した。5月に県産業展示館2号館で開催された「中小企業技術展」でお披露目すると同時に、技術的な優位性をアピールして、需要の掘り起こしを図った。
 この溶接機は半導体レーザーを使うことで、YAGレーザー溶接機など従来の溶接機では難しいとされてきた厚さ0.1mm以下の超薄板の溶接を可能とする。消費電力が大幅に低減し、二酸化炭素の排出量を抑えられるのも特徴だ。
 また、レーザー放出部に特殊な空冷装置を搭載して、メンテナンスの手間を軽減すると同時に、耐久性を向上させた。
溶接機のレーザー放出部 写真 これまでの溶接機では、オーバーヒートを防ぐために純水を使った水冷装置を必要とした。しかし、装置内部で水詰まりをおこして故障しやすい上、設備が大型化、複雑化し、コストがかさむ難点があった。
 新製品は純水の製造装置や水冷装置が不要なため、価格も従来品の1/3~1/5程度に抑えられるという。
 同社の村谷實社長は「電子部品や医療器具など、極薄の素材で作る製品の溶接に強みを発揮する」と話し、年間4億円の売り上げを見込んでいる。

小ロット生産や異素材の溶接にも便利

 同社が、半導体レーザー溶接技術の実用化を目指す県工業試験場から共同開発の打診を受けたのは約2年前のことだった。半導体レーザー溶接技術については、県工業試験場と大阪大学が開発。村谷機械製作所は、これまで培ってきた機械制御の技術を発揮して、村谷社長 写真全6軸の位置決め機構、レーザー出力の制御プログラムなどを搭載した実用的なシステムとしてまとめあげた。このほか、久世ベローズ(津幡町)、堀場製作所(京都府)が評価試験を担当。昨年12月にはISICOの産学・産業間連携研究開発事業に採択された。
 販売はこれから本格化させる予定で、村谷社長は「例えば、プレス加工で作ると割高になってしまう小ロット製品を溶接して作ればコストダウンにつながる。ステンレスとアルミなど異なる素材を接合するのも得意」と話し、既存の技術や素材の置き換えを提案して販路を開拓する考えだ。

企業情報

企業名 株式会社 村谷機械製作所
創業・設立 設立 昭和47年7月
事業内容 産業機械、工作機械の製造、販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.46より転載
添付ファイル
掲載号 vol.46


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