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商工業を営む企業と農林水産業を営む生産者が協力して
新たな商品やサービスを開発する「農商工連携」の取り組みにスポットを当てる
能美市の造り酒屋・宮本酒造店では、地元の特産品である加賀丸いもを原料とした焼酎「のみよし」を開発し、好評を博している。発売2年目となった昨年は、春先から7tの加賀丸いもを仕込んで、7月から11月にかけて720ml入り約10,000本を出荷。1 本3,000円と、さつまいもを原料とした一般的な芋焼酎より高価にもかかわらず、12月中に完売した。
芋焼酎と言えば、クセのある独特の味わいとされているが、「のみよし」は甘くてやわらかな香りを放ち、まろやかで飲みやすいのが特徴。ふだん芋焼酎を敬遠している人でもおいしく飲める味わいとなっている。
明治9年の創業以来、日本酒一筋で造ってきた宮本酒造店が焼酎の製造に乗り出したのは、平成18年春に能美市がスタートさせた特産品開発プロジェクトがきっかけだった。
協力を打診された宮本周司代表は、かつて酒造りを学んだ(独)酒類総合研究所(東広島市)と共同で試作品を開発。出来は上々で、市内の有識者を集めた試飲会でも高く評価され、平成19年から能美ブランド第1弾商品としての製造が決まった。
市の特産品とはいえ、事業として取り組む際にリスクを抱えるのは企業である。しかし、日本酒の消費量が落ち込んでいること、そして何より「地元に貢献できるならば」との一心で、宮本代表は製造を決意。設備資金や運転資金を借り入れ、焼酎用に工場を改修し、設備をそろえた。通常、日本酒メーカーが取得するのは困難と言われる芋焼酎製造免許も、特産品に限って認められる制度を活用して、石川県で初めて取得した。
初年度はJA能美、JA根上から形が悪くて市販できないものなど2tを仕入れ、2,600本を製造。市内の酒屋や飲食店、JAで販売し、1週間で完売する好評ぶりだった。
今年は10t の加賀丸いもを原料に、14,000 本の製造を予定している。また、「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」を活用して、全国への販路拡大に挑戦するほか、蒸留の際に出る産業廃棄物の液体肥料化に取り組み、ムダのない資源循環型の焼酎づくりを目指す。
企業名 | 株式会社 宮本酒造店 |
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創業・設立 | 創業 明治9年 |
事業内容 | 日本酒、焼酎の製造、販売 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.44より転載 |
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掲載号 | vol.44 |